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―まず新潟大学学生団体CANSさんの活動というのは一体どのようなものなのでしょうか。
横井さん:新潟大学学生団体CANsは、新潟大学の学生40人で構成されています。活動は主に小学生を対象に、人気教育番組「ピタゴラスイッチ」に出てくるような複雑な仕掛けの中でボールを転がす装置を作ったり、ドミノを作ったりして、子どもたちの挑戦を促すようなイベントを実施しています。
―なるほど。年間どのくらい活動を行い、またどんな場所で行っているんですか?
横井さん:年間多くて8回ぐらいで、新潟市の小学校を会場に地域の大人や保護者らが児童の放課後の遊び場を作っている「子どもふれあいスクール事業」と連携して行っています。
―ありがとうございます。最初の質問で、子供たちにとって挑戦となる企画を行っているとおっしゃっていたんですが、イベントを企画するにあたってどんな思いがあるんでしょうか?
横井さん:CANsが一番追求しているものとして、みんなに好きなことに素直にチャレンジしてほしい、そのチャレンジを応援する人になってほしいという思いで活動しています。なにかちょっと失敗して自分に自信を無くしてしまってチャレンジできないなんてこともよくあると思います。でもCANsの企画のなかで自分に自信を持ってもらったり、チャレンジしてみたいなと思ってもらったりして、最終的に自分の好きなことに積極的に挑戦できる人になってもらいたいなという思いで活動しています。
―ありがとうございます。今、お話していただいた思いについてですが、その背景というか、なぜそのように思っているのか、きっかけみたいなものがあれば教えていただきたいです。
横井さん:CANsは活動を始めて10年目になります。発足したときの社会的背景に日本の子どもたちの自己肯定感の低さがありました。では、自己肯定感を高めれば、子どもの人生にとても良い影響を与えるのではないか。そこにCANsは着目しました。子どもたちが自分自身を好きに、素直になってもらえるようにと活動しています。
―ここまでで、実際にどのような活動をされているかを聞いてきたのですが、先日、8月31日に実際に見学させていただいた企画はどのようなものであったのかお聞きしてもよろしいですか?
牧浦さん:先日の企画は新潟市立鳥屋野小学校のふれあいスクールにお邪魔して行ったものです。鳥屋野小学校の体育館に子どもたち40人ほどに来てもらい、NHKの教育番組「ピタゴラスイッチ」に登場するような装置を作ってみようと企画しました。
―ありがとうございます。ピタゴラスイッチを作ることが子どもたちのチャレンジになるのですね。素晴らしいですね。
牧浦さん:ありがとうございます。もう一つ、今回の企画には特色がありました。普段は私たちCANsのメンバーだけで出向いているのですが、今回は中高生にもボランティアとして参加を呼び掛けました。小学生と大学生、そこに高校生が加わり、幅広い年代で今までとは違う雰囲気の中で活動できました。
―ありがとうございます。今回のイベントを通して、ボランティアで参加してくれた中高生にはどんなことを感じてほしかったのか考えがあれば教えていただきたいです。
牧浦さん:今回中高生には、小学生の挑戦を支えるという我々CANsと同じ立場でミーティングから参加してもらいました。小学生が素直にチャレンジをする姿を見て、挑戦することの良さを中高生にも感じてほしいという狙いです。また、チャレンジする子どもの応援者が増えてくれたらという思いもありました。
―ありがとうございます。次に、実際に企画を実行するまでの流れとしてはどのように行っているのかを伺ってもよろしいでしょうか。
牧浦さん:企画の流れを具体的に説明すると、まず子どもたち2人とCANsメンバー1人の班を組みます。トイレットペーパーの芯やティッシュ箱のような身近なものを使ってピタゴラ装置を作っていきます。装置のヒントになるような書籍も参考にしながら、メンバーと子どもたちで一緒に作っていきます。また、装置を作成する前に、班で頑張りたいものを目標として掲げます。子どもたちが楽しんで活動できるように、ビンゴ形式で頑張りたいことを書き出し、ビンゴ達成を目指して活動するという形です。その日に立てた目標は、最後にみんなで達成できたかを確認します。ビンゴ形式で目標を書き出してもらうので、達成できたかが分かりやすくなっています。目標を立てながら挑戦するという流れが自然と楽しく生まれるように工夫しています。
―お三方のCANsの活動のやりがいはなんですか?
髙橋さん:私のやりがいは、メンバーとして、代表として、全員が本気になれる環境づくりをすることです。ただ企画運営をするだけでなく、自分たちができる最高の企画にしようと、メンバー全員が本気で取り組んでいることがすごくいいなと思うんです。そんな環境に自分自身が身を置いていることにやりがいを感じるところもあるのですが、代表としてはこの環境を維持していくこともやりがいです。メンバーが誰も取り残されないように一人一人の声を聴いて、全員が本気になれる環境や雰囲気を作り続けていきたいと思っています。
―ありがとうございます。 次に牧浦さんお願いできますか?
牧浦さん:この活動のやりがいは、社会や地域、新潟県の未来に貢献できるところです。個人的には大学生って、自分の未来への準備期間だなという風に感じているんです。準備期間の今、自分だけじゃなく、周りの人や、地域の子どもたち、もっと言えば新潟県の社会を変えていけるような活動を自分がしているっていう実感のある活動ができでいることが嬉しいです。
―素晴らしいですね。 ありがとうございます。 横井さんお願いします。
横井さん:僕の人生の中での軸に、子どもたちの人生に影響を与えるようなことをしたいっていうのがまず第一にあります。その中でCANsっていう活動がすごく合ってるなって感じています。CANsのメンバー各々の目的は違うんですが、その根底には、好きなことに素直に取り組める社会になってほしいという願いが全員にあるような気がします。同じ思いを持ったメンバーと一緒に活動していけることがやりがいを感じる部分ですね。
―本当に横井さんにはぴったりって感じなんですね。ありがとうございます。最後に、CANsさんの今後の展望とか何かあれば教えて欲しいです。
髙橋さん:我々は今後、活動をさらに飛躍させていきたいと考えています。8月の企画は鳥屋野小学校で実施したのですが、これをもっと多くの人に届けていきたいんです。新潟市内にとどまらず、新潟県内のさまざまな小学校で開催したいですし、今回中学生が参加してくれたように対象も小学生からさらに広い年代に拡大していけるはずです。
また、私たちが得意なドミノやピタゴラスイッチだけでなく、もっといろいろなことができると思っています。巨大なバルーンを作っていた時期もありますし、最近は下敷きを使って〇〇する「下敷きアート」のような芸術活動をやったこともあります。そうすればドミノやピタゴラ装置作りが苦手な子どもでも参加しやすくなります。
我々は挑戦できる社会、それを応援する社会を作ることを本気で目指していて、そのために何をするのがいいのか常に考えています。企画の内容や開催場所を広げ、参加者を増していくことで、私たちの目指すところに近づけるのではないかと思います。だからこそ活動をもっと発展させていきたいと考えています。
□新潟大学 学生団体CANs