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2025.02.09

①野きろの杜「なぜ、野きろの杜は生まれたのか?」

サケハシ
こんにちは!今回は「チームサケハシ」が新潟市西蒲区の「野きろの杜」を訪れました。みなさんは住宅街と聞いて、どんな景色を思い浮かべますか?
ここは木々に囲まれ、広場を中心に一軒家や賃貸住宅が立ち並んでいます。温かみがあり、人々の交流を生む雰囲気に満ちた「野きろの杜」は、一般的な住宅街のイメージを超え、後世に残る景観とコミュニティづくりを目指しています。このプロジェクトを手掛けた建築家の石田伸一さんに、街の魅力や想いについてうかがいました。今回は概要を、次回以降でさらに詳しくお伝えします!

―「野きろの杜」ではどんなアイデアを詰め込みましたか?

 

石田さん:このプロジェクトでは、自然と人をつなげることを大切にし、「100年後のまちづくり」を目指しています。広場を真ん中に置いて、まわりにお店や家々が並んでいるんです。広場では焚火ができるようにしていて、火を囲んでみんなが自然と話せるような空間を作りました。それから、賃貸のお部屋も一軒家も、どちらに住むかに関係なく、みんなが心地よく暮らせるように、住まいの性能にもこだわっています。

また、風景を守るために建物の高さを制限し、緑道や景観ガイドラインを設けました。さらに、道路を東西方向に配置することで、南北方向に比べて日当たりを確保し、冬場でも雪解けを早める工夫をしています。

 

―自然との調和や住みやすさへの配慮が本当に細かく考えられているんですね!!

 

「野きろの杜」街全体完成イメージCG
※「野きろの杜提供」

 

―「野きろの杜」が生まれた背景と、解決したい課題について教えてください。

 

石田さん:建物を建てることは、その地域の風景を作り出すことでもあります。私たちは、100年先の未来でも人々に愛される美しい街並みを残したいと考えています。同時に、日本が直面している人口減少や過疎化の課題にも目を向けました。ただ建物を建てるだけでなく、人々が自然と集まり、交流が生まれる仕掛けを街に組み込むことで、この地域全体の魅力を高めたい。そうすることで、一軒一軒の家だけでなく、地域そのものが暮らしやすい場所になると信じています。

 

―未来を見据えた街づくりなんですね。地方の課題を解決しようという視点がとても重要なんですね。

 

 

石田さんに取材をするいくらちゃんメンバー

 

 

―どうして岩室・和納地区を選んだのでしょうか?

 

石田さん:「野きろの杜」がこの地区に決まった理由は、プロジェクトを協働している不動産会社「新潟土地建物販売センター」の社長が地元出身だったからです。社長が「自分の故郷に新しい住宅地を作りたい」と考えたことがきっかけです。プロジェクトは「石田伸一建築事務所」・「スノーピーク」・「新潟土地建物販売センター」の3社で進め、コンセプトは私が考えました。

 

─‐地元出身の社長の思いが大きな決め手になったんですね。

 

 

野きろの杜ってどんなところ?家と広場が繋がり、自然の中で人と人が交流を深める、そんな暮らしがここにはあります。

 

 

―「野きろの杜」の計画はいつから始まり、どのような経緯で現在に至ったのでしょうか?

 

石田さん:この場所の物語は2018年に始まりました。最初は商業施設と住宅地が作られる計画が進められていました。しかし長い目で見た時に商業施設がうまくいかなかった場合のリスクを踏まえたためか、ゼロから新しい提案を、ということでオファーをいただきました。それが評価され、方向が大きく変わりました。2020年には「スノーピーク」と共同で進めることが決まり、2023年にカフェやお花屋さんなどのショップが並ぶ商業エリアが本格稼働し、今も地域全体を活かしたプロジェクトとして進んでいます。

 

― たくさんの試行錯誤があってこそ、最終的には地域全体が活かされて、素晴らしい結果に繋がったんですね

 

 

全国的にも有名なアウトドアブランド「Snow Peak」とも連携。野きろの杜にあるショップで製品を並べ、暮らしに野遊びをプラスする新しいライフスタイルを提案しています。

 

 

お話を聞いて私達は、未来の暮らしを見据えた新しいライフスタイルだと感じました。自然と人々が調和し、地域との繋がりを大切にする街づくりが進んでいます。次回の記事では、この街が描く未来の暮らしについて、どのような影響を与え、どんな可能性を広げていくのかを探っていきたいと思います。

 

■野きろの杜 https://nokiro-no-mori.jp/

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