はたらく
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―まず、御社の事業内容について教えていただけますでしょうか。
「弊社が力を入れているのはイベントの企画・運営ですね」
そう語る岡地真史さん。同社が手掛けるイベントは、地域の課題や魅力に深く寄り添っているのが特徴です。特に印象に残っていると語るのは、2020年の出来事でした。
「長岡花火がコロナウイルス禍で史上初めて中止になり、街全体が沈んだ空気に包まれていました。ちょうどその時、新潟県主催のイベントを長岡で開催するお仕事をいただいていたんです。何とかして長岡を盛り上げたいという強い思いで、歌手の平原綾香さんをお呼びしました」
単に歌ってもらうだけではありません。ステージの背景に長岡花火の象徴である「フェニックス」を映し出す演出を取り入れ、花火大会への想いを繋ぎました。さらに、発表の機会が失われていた地元の子供たちにも参加してもらうなど、多くの人の心に残るステージを創り上げました。
―地域活性化のためのイベントを数多く手掛けられていますが、企画する上でどのようなことを意識されていますか?
「私たちが大切にしているのは、子供たちが地域の魅力的な企業を知る『接点』を増やすことです」
その理念を体現するのが、同社が新潟県内各地で開催している「ワンダーパーク」といったイベントです。大きな会場に子供たちが楽しめるアトラクションや体験教室が並ぶのですが、地元企業が体力測定やプログラミングといったブースを出展しています。
「企業ブースでのお仕事体験やクイズなどを通じて、子供のうちから『地元にこんな面白い会社があるんだ』と知ってもらう機会を作っています。年間で30件ほど手掛けるイベントの多くは、こうした子供たち向けの企画ですね」
子供たちの楽しい思い出が、自然と地元企業への関心につながる。そんな未来への種まきを、
ディモルギアは行っています。
―御社ならではの「強み」は何でしょうか。
「4〜5年間、子供向けイベントを続けてきた中で、子供たちや親御さんが『何に価値を感じるか』という肌感覚が分かってきた点ですね。『新しいことを体験する』ことが、彼らにとってどれだけ貴重な財産になるか。それを深く理解しています」
この経験に裏打ちされた知見こそが、同社の最大の武器です。
「だからこそ、クライアント企業様にとっても、ただ出展していただくより費用対効果の高い、つまり参加者の『心に届く』企画を提案できると自負しています」
―次に働く環境についてお伺いします。どのような方が活躍されていますか?
「文系・理系は問いません。一言でいうと『お祭り好きな人』が向いていると思います。人前で話したり、時には大きな声を出したりすることも必要ですから」
そして何より大切なのは、と担当者は続けます。
「物事に対して『好き』という興味関心を持ち、それを突き詰められることです。好きなことなら自然と情報は入ってきますが、興味がないと何も見えてきませんから。その差は年月が経つと非常に大きくなります」
同社には、若手が萎縮することなく能力を発揮できる風土があります。
「役職はあっても、それは役割が違うだけという考えで、フラットな関係性を心がけています。『怒らないから何でも聞いて』というスタンスです。最近では、入社3年目の専門学校卒の社員が、灯籠を6000個並べるお祭りの責任者を見事に務め上げ、大成功させましたよ」
―このお仕事の「やりがい」と、これから社会に出る若者へのメッセージをお願いします。
「やりがいは、やはり参加してくれた皆さんが楽しんでくれることです。帰り際に子供たちが『楽しかった!』と直接言ってくれると、考えて、作って本当に良かったなと心から思います」
最後に、新潟県の未来を担う若者へ熱いメッセージをいただきました。
「自分がやりたいという情熱はもちろんですが、『なぜそれが皆にとって楽しいのか』『地域にどんな良い影響があるのか』まで考えられる人がいいですね。『最近こんな面白いものがあって、これでイベントを作らせてもらえませんか?』と、自分の好きなことを周りを巻き込む企画にして提案してくれるような、若い感性に出会えたら、すごく嬉しいです」
本日は貴重なお話をありがとうございました。
子供たちと地元企業の「接点」を創り、地域活性化の仕組みを築くディモルギア。「楽しかった!」という記憶が、未来の担い手が地元で働くきっかけになる。その長期的なビジョンと、若手の挑戦を後押しする温かい社風に、新潟の明るい未来を感じました。
新潟大学3年 佐藤 野々花 (撮影:新潟県立大学3年 土屋 まり子)
株式会社ディモルギア
住所: 〒950-0994 新潟県新潟市中央区上所1丁目1−24 Nビル 2F
TEL:025-385-7656
HP: https://dimiourgia.jp/
2025.09.04 WORK