つながる
CONNECT
CONNECT
高田駅前のバス停からバスに揺られ35分、午前中は「岩の原葡萄園」にうかがいました!
「岩の原葡萄園」は1890(明治23)年に川上善兵衛が創業し、現在創業135年を迎えたワイナリーで、国内外の数々のコンクールで受賞した経歴を持ち、品質の高いワインを造っています。今回はマネージャーの渡辺真守さんに施設を案内していただき、創業者や歴史について学びました。
岩の原葡萄園
最初は渡辺さんによる「岩の原葡萄園」の歴史や「日本のワインぶどうの父」である川上善兵衛の生涯について紹介をするガイダンスから始まりました。そのガイダンスを聞いて、川上善兵衛と江戸時代の幕末に活躍した勝海舟との意外な繋がりや日本で赤ワイン用として一番生産されているぶどうの品種である「マスカット・ベーリーA」の誕生秘話について知ることができ、大変勉強になりました。特に印象に残ったエピソードとして、川上善兵衛が当時、米が十分に収穫出来ず、農民たちが貧しい生活を送っている中で農民たちの暮らしを少しでも豊かにしたいと思って行動を起こしたことや岩の原葡萄園は標高や日当たりの地勢、雨や雪が降る気候などの観点からぶどう作りが難しいため、10311回の品種交雑を行い、マスカット・ ベーリーAをはじめ、22のワイン用ぶどう品種を開発したという部分に尊敬の念を抱きました。
またガイダンスでは、そもそもワインとはどういったお酒なのか、という質問に対する適確な返答や他のお酒との違いについて聞けて為になりました。
ガイダンスが終わった後、施設の見学が始まりました。
まずは日本最古のワイン蔵として国の登録有形文化財となっている第一号石蔵。入ってみると最初に部屋の内部の空気の冷たさを感じました。これはワイン熟成をする際に冷房を効かせているという説明を受けました。ワインを寝かせる際に暑すぎるとワインの品質が低下してしまうという話をされ、納得しました。石蔵の様子は歴史を感じる風格があり、壁や天井は長年ワイン造りを支えていた軌跡が伝わる空間でした。また第一号石蔵は川上善兵衛がワイナリーを開いた5年後に建てられたもので、当時は床面が3m程深く掘り下げられた半地下構造で、部屋の正面の奥に建設当時の屋根の高さが分かる傾斜跡があります。
第一号石蔵の次は川上善兵衛が当時、実際に記録したぶどうの品種改良に関するノートや被られていた帽子などが展示されている資料室を案内されました。
第一号石蔵について紹介する渡辺さん(左)、川上善兵衛資料室の見学を受ける学生(右)
また第二号石蔵の温度管理に使用している雪室見学では実際の雪が山盛りとなって貯蔵されており、圧倒されると共に雪の冷たさのみで低温に保たれていることに驚きました。第二号石蔵の冷房だけでなく、資料室の隣にあるワイナリーレストラン「金石の音」で扱う野菜の貯蔵にも使用されていました。
岩の原葡萄園の雪室
石蔵巡りの後は、ワイン造りで実際に使用するぶどうの畑に案内されました。
ぶどう畑に足を踏み入れてみると、広さとぶどうの木がずらりと並ぶ壮観な風景にとても驚かされました。見渡す限りにぶどうがなっており、頭上にはぶどうの蔓が近くにあり、私の手の届くくらいの距離のぶどうは見応えがありました。
他にも、渡辺さんから一番古いぶどうの木だと80年ほどの樹齢があるといったお話などを聞きました。
また「岩の原葡萄園」のワイン造りで使用される「マスカット・ベーリーA」の試食もさせていただきました。
食べる前はスーパー等の店頭に並ぶぶどうよりも酸っぱい味かと思いましたが、口にしてみると、酸っぱさだけではなく、ほんのりとした甘さもあり、とても美味しかったです。
「岩の原葡萄園」のマスカット・ベーリーA
施設見学が終了した後、「岩の原葡萄園」のワインとぶどうジュースをテイスティングさせていただきました。
岩の原葡萄園の代表的な銘柄「深雪花」と「善」の赤と白のワイン計4種をテイスティングしました。4種を比べて飲むと、果実味や酸味の違いを感じられました。注いでいただいたワインは赤色の濃さ、香りにも違いがあり、味覚以外で楽しむことができるのもワインの魅力であると感じました!食事とのマリアージュを楽しみながら飲むお酒であると教えていただき、食事と共に岩の原葡萄園のワインを味わいたくなりました。
また、ワイナリー内でしか飲むことができないという発酵途中のワインとなる前の飲み物、ペルレ(ワインの赤ちゃんとも言われる)もいただきました。甘味が強く、果実味の強い葡萄ジュースのような味わいでとても飲みやすかったです!
テイスティングを楽しんでいる様子
岩の原葡萄園ではぶどうジュースも2種類楽しめます。
マスカット・ベーリーAは濃厚で華やかな香りが特徴的です。コッテリとした甘さの中に葡萄のはじけるようなみずみずしさがあり、口の中を楽しませてくれました。癖がなく、誰でも楽しめるジュースです。
一方、ブラック・クイーンはマスカット・ベーリーAに比べてあっさりとした飲み口で、炭酸が入っているかのような爽快感が特徴的です。比較的さっぱりとしているため大人の方に人気なのだとか。私は個人的にこちらのほうが好みなのでぜひ一度は飲んでいただきたいなと感じました。
テイスティングの際にいただいたぶどうジュース
「岩の原葡萄園」では、一般客向けの見学ツアーも実施しています。スタッフの案内で第一号石蔵、雪室を見てワインや「マスカット・ベーリーA」、日本ワインを形作った川上善兵衛の歴史について学べるほか、自由見学でぶどう畑を見ることができます。
興味を持った方はぜひ足を運んでみてください!
午後は高田駅周辺にある施設として日本最古級の映画館である「高田世界館」を見学しました。
シックな内装に赤い座席が並ぶ館内は、歴史が生み出す美しさに満ちた特別感のある空間でした。
高田世界館のスクリーン
二階席や映写室も見学せていただき、短い時間でしたが、心に残る素敵な体験ができました。
2階にある映写機
このようなレトロな雰囲気の中で映画鑑賞ができる映画館は、全国でも希少なのではないでしょうか。近年は自宅で気軽に映画を観ることが出来ますが、高田世界館に足を運んでこそ味わえる空間があると感じました。
ぜひ皆さんにも当館を訪れていただき、この非日常的な世界を体験してほしいです!
最後に今回の高田町の旅レポ取材に参加した班のメンバーたちの感想をまとめました!
今回の旅レポをふりかえって高田町のレトロな街並みの風景や「岩の原葡萄園」さんのワインなどの魅力をたくさん知ることができました。また同じ班のメンバーとコミュニケーションを多く取ることもでき、一段と仲が深まったような気がします。旅レポを通して今後の活動も新潟の魅力を良くPRできるように頑張りたいと思います。
(開志専門職大学 4年 佐藤拓磨)
高田に行ったのは今回が初めてでした。雁木通りが続く商店街や世界観などレトロな町並みで、落ち着いた静かな様子が印象的でした。
岩の原葡萄園では葡萄畑や発酵中のワイン、テイスティングを通じてワイン作りの知見が増えた1日でした。
新潟といえば日本酒というイメージが強いですが、この記事をきっかけに新潟のワインにも目を向けていただけるとうれしいです!
(新潟大学 3年 須永ひなの)
今回の旅では、上越地方を巡りながら新潟の新たな魅力を発見することが出来ました。
特に岩の原葡萄園では、ワイナリーの歴史やワインの製造過程、ブドウ畑や館内設備について丁寧に説明していただき、ワインの奥深さに触れた充実した一日となりました。
「家族や友人にも新潟県産のワインを飲んで欲しい…!」と思うと共に、新潟を好きな理由がまた一つ増えた旅となりました。
(新潟県立大学 3年 前田唯衣花)
岩の原葡萄園では葡萄園の歴史や育てている品種などたくさんのことを説明していただき、とても面白く、勉強になりました。また、高田駅周辺はもともと城下町だったということもあり、他の地域では見られない独特な建物や街並みがとても面白く、また来ようと思えるような街でした。地域の人々も温かく、高田にきて本当に良かったと心の底から思えた旅行でした。
(長岡造形大学 1年 柴田祐佳)
■岩の原葡萄園
住所:〒943-0412 新潟県上越市大字北方1223番地
TEL:025-528-4002
公式HP:岩の原葡萄園
Instagram:岩の原ワイン Iwanohara_Wine(@iwanohara_wine) • Instagram写真と動画