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2025.11.05
鮭プロジェクトでは、県内の企業とともに若者に新潟の仕事や暮らしの魅力を発信・共有する取り組みを行っています。進学や就職を控える高校生には、県内で生き生きと働き、活動する社会人の姿から自分の将来を描き、地域への思いを育んでもらうプログラム「鮭プロ×キャリア教育」を実施しています。

高校生に語り掛ける小熊龍太郎さん(手前)、平野伸哉さん(奥)
今回の講師となった小熊さんと平野さんが活動する「ベースクラフター」は、2021年に結成した胎内市出身の4人組。市内各地でのマルシェ開催、地元産のハーブを使ったシロップ作り、地元食材の魅力を発信するキッチンカー、商店街の空き事務所を活用した「喫茶キョテン」オープンなど、活性化を軸にさまざまな取り組みをしています。
2人は「地域のためにできることはないか、そんな思いで活動している」と口をそろえました。活動を通した住民との触れ合いでは「『頑張って』と応援してもらい、胎内市にはそうした土壌があると感じる。地元へ戻ってきやすい、仕事がしやすい温かい地域だ」と感謝しました。
「水、米がおいしい。一見小さなことに価値があると気付いた」「自然が豊かで、食など魅力的な素材がたくさんある」。進学などで県外にいたこともある2人。地元から離れて気づいた魅力もあるそうです。地域の将来を見つめる同じ仲間と集まり、地域貢献への思いはさらに深まったと言います。

地元産のハーブを使って開発した商品について説明
商店街に「喫茶キョテン」を設けたのも、店舗がなくなり衰退する状況を目の当たりにしたため。「商店街には歴史のある魅力的な店がある。長年活躍する職人さんもいる。そこを巡ってもらえるように」と拠点の意義を語ります。そこに集う住民の世代間交流にも期待を寄せ、「人の交流が活発化すれば、地域が復活する兆しになるのではないか」と高校生の訪問を呼び掛けました。
「地域には魅力的な素材がたくさんある。その価値を上手く伝えるみなさんの視点に期待している」。2人は生徒たちへこう呼び掛けました。

生徒に語り掛ける小熊さん(右)と平野さん
中条高校では全学年を通して地域学習を行っています。地域内の居場所作りやインターンシップ、実際に地域課題の解決に取り組むなど、地元住民や小中学校、企業、大学とも連携して学習。これまでも地元商店の商品を若者の目にも止まるようにPRするなど、高校生の目線を活かしたアイデアを形にしてきました。
小熊さんも平野さんも地域活性化を目指してさまざまなことに挑戦しています。「100回やって1回うまくいくかな、という程度。仮説、実践、改善のサイクルを何回も試すためには、まずはアクションしなければ」と小熊さん。平野さんも「AIなどすぐに答えが出る時代だが、情報だけで成功した気にならないで。失敗を恐れず自分の手足、体、頭を動かして考えることが大切」と語り掛けました。

講演を聞く生徒
村上市から通学している女子生徒は「自分の地元も商店街の衰退など課題はあるが、地域のためにという気持ちはある。私に何ができるか考えていきたい」と話しました。
■新潟県立中条高等学校
〒959-2643