まじわる
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【頭部の作成】
1.洋釘(ようくぎ)をつかみばしではさみ、火床(ほど)に投入して熱する。
火床(ほど)から強い熱が伝わります。夏場の作業はとても暑そうです。
2.適度な温度になったら、火床から取り出す。火床の温度は1400℃~1500℃で職人さんはこの温度を目で確かめて調節しているそう! *実際に鉄を叩く温度は850℃~900℃で作業する
3.金床に置き、釘の頭の丸い部分を半円状に平たくつぶす。
4.頭部の半分を鎚(つち)で平ら(半円程度)に打ち伸ばす。
私たちが叩いた時の音と職人さんの叩く音は全く違います!(動画)
5.握り部分をプライヤーで2~3回ねじる。
ペーパーナイフの持ち手となる部分のデザインが決まります。ポイントはゆっくり引っ張りながらねじること。硬かった鉄が面白いほどよく伸びます。失敗しないか緊張しましたが、道具の扱い方など練習もさせていただき、無事出来上がりました!(動画)
【刃部の製作】
1.頭部をつかみばしではさみ、釘の先端部分を火床(ほど)に投入して熱し、適度な温度に
なったら、火床から取り出す。
2.金床に置き、釘の先端部分を鎚で叩いて、横に伸ばす。
ここではかなり力もいるようで、職人さんと一緒に叩きました。「叩けば叩くほど鉄は強くなる。」と教えていただきました。
3.変形した状態を綺麗に整えるため、刃の峰の部分(背中)を鎚で縦にならす。
4.刃部をベルトサンダーにあて、削って形状を作る。
ここで刃の部分が出来上がります。「ここはプロの見せ所!」と職人さんが作ってくれました。
5.サンドブラストの中に、製作したペーパーナイフを入れ、研磨剤を吹き付け、表面を綺麗にする。
ツヤツヤピカピカで、もともと釘だったとは想像できない仕上がりになります。
6.「越後三条 鍛冶道場」の刻印をいれる。
三条鍛冶道場の体験でしか手には入らない世界で一つのペーパーナイフです!
7.ついに完成!
真ん中は打つ前の洋釘。刀のようなナイフになり、大きな変化に驚きました!
斜め45度にナイフを入れると綺麗に紙を切ることができます。
★ 職人さんピックアップ!
今回教えていただいた職人さんは、外山輝一さんと小川和里さんのお二人。体験中は職人さん同士が互いに敬意をもって仕事をされているということが伝わってきました。
外山さんは以前、大型テレビ番組のセットに使用する和釘の数々の製作や、天平時代の仏像を修復する際に使う小さな鎹(かすがい)釘を巧みに制作する等されていたそうです。この技術は熟練した職人でも難しく、腕の凄さを表しています。この外山さんの偉業を嬉しそうに話してくれた小川さんは、ユーモアたっぷりに指導してくださり、談笑しながら楽しく体験をすることができました。「実はコロナが流行る前、この体験をしに訪れる人は県外の方が多かった。ぜひ新潟県内の人にももっと楽しんでもらいたい」とおっしゃっていました。
★ 作業場が暗いヒミツ(三条鍛冶道場 長谷川館長さん談)
私たちも薄暗い作業場で体験をしてきました。暗い場所では火の色や、熱した鉄の色が見やすく
作業がしやすいそうです。日照時間が短い新潟という土地の特徴もまた、鍛冶産業が適していたと
いうことでしょう。
最後に、取材に協力いただきました三条鍛冶道場の皆様に厚く御礼申し上げます。
三条鍛冶道場
〒955-0072 新潟県三条市元町11-53
アクセス:JR北三条駅から徒歩3分
JR上越新幹線 燕三条駅から車で10分
北陸自動車道三条・燕ICから車で10分
TEL : 0256-34-8080 FAX : 0256-34-8081
休館日 :毎週月曜日(祝日の場合は翌日)/臨時休館日12/29~1/3
URL :https://kajidojo.com/
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