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2024.08.13

ビブリオバトル①

YOIFURE(ヨイフレ)
新潟市立中央図書館(ほんぽーと)で開かれているビブリオバトル形式のイベント「ブックカフェ」取材させていただきました。今回こちらを取材したのは、取材班に読書好きが多く、学校での部活動などでビブリオバトルの経験から、ビブリオバトルを様々な世代の多くの人に経験していただきたいと考えたからです。また、若者の本離れも加速しており、読書の楽しさを提供する場を広めたいという思いから、新潟の中でも大きい図書館である新潟市立中央図書館を取材地に選びました。

ビブリオバトルとは、発表者が順番に本を紹介し合い、その場にいる参加者全員の投票で「一番読みたくなった本」(チャンプ本)を決めるイベントです。
ほんぽーとと愛好団体「ビブリオバトル愛好会☆新潟」が共催し、2か月に1回ほどのペースで開催されています。

取材記事第一弾はビブリオバトル愛好会☆新潟の水島祐介さんへのインタビューと、ビブリオバトルのルールをお届けします!

―このイベントは何年前くらいから開催されていますか?

 

水島さん:始まったのは2013年くらいだったと思うのですが…年一回くらい図書館さんの職員と市民の有志の方とで、共催という形で開催してきた経緯があります。

私は最初聞く側で参加していました。それから発表する側で参加するようになって、2019年から主催者側みたいな形で携わるようになりました。

 

―ビブリオバトルはどのようなやり方でするのですか?

 

水島さん:ビブリオバトルといってもいろんな形式がありまして…たとえば、何十人もの観客がいて、発表者(バトラー)が5、6人といったタイプのビブリオバトルがあります。これがイベントとしても結構目を引きやすいので、各所で開催されています。ただ、私が携わるようになった後に新型コロナウイルスの影響で多くの人を集めてのイベントがしづらくなりました。そのため、現在では新型コロナウイルス対応もあり、発表者が同時に観客にもなるような6人程度のこぢんまりとした親密なビブリオバトルを続けています。

 

―大勢の前でのビブリオバトルは緊張するものですか?

 

水島さん:大勢の前でビブリオバトルをするのは、すごく緊張しますよね。そもそもそういう体験がない人が多いですし。それに、学校で無理に本を読まされて、発表したり、文章を書いたりしなければならなかったという経験から、「やりたくないー」という声を多く聞くんですよ。そのため、ビブリオバトルの楽しさを感じてもらう難しさもあります。

 

―そういった声をどう受け止めていますか?

 

水島さん:それだと、そうじゃないのに~。もっと楽しさを伝えたい…。私はビブリオバトルが楽しいと思っているので、その楽しさをもっと伝えたいと思っています。そのために、ほんぽーとさんと話し合い、新型コロナウイルス禍の対応も含めて、少人数での親密なビブリオバトルを開催する形にしました。ブックカフェって名前で行ったのが2020年からなので、今年で五年目くらいですかね。

 

(持ち合った本を紹介している様子)

 

 

―先ほど、もっと楽しさを伝えたいとおっしゃっていましたが、ビブリオバトルの楽しさとはどんなところだと思いますか?

 

水島さん:本を読むことは、ある意味で孤独なことなんですね。自分と本との対話ですから。それでも得るものは多いですが、それを他の人と共有したいという気持ちがあります。人によってはSNSで書いたりしますが、私は直接言葉にして対面で共有したいと思っています。いろんな形の共有の仕方がありますが、私はこのビブリオバトルっていう、5分間で紹介して3分間の質疑応答を受けて、最後に一番読みたくなった本投票するっていうやり方がすごく、自分としては肌に合っていると感じています。

 

ビブリオバトルでは最後にチャンプ本を決めるので、チャンプ本を獲得した人は楽しいですが、チャンプ本に選ばれなかった人はうーんってなって……。特定の人だけチャンプ本を取り続けると「じゃあ俺やりたくないよ」「あの人の紹介にはかなわないから、もうやらない」みたいなのが出てきかねない。ですので、「ビブリオバトルを続けるには、そういうのを楽しいって思う仲間…そう思う人が増えないと、いけないな」って思うようになりました。つらいと感じる人に「そうじゃないよ、楽しいものだよ」というのを共有したい気持ちがあります。伝えたいというと少し違いますが、「楽しいよ、よければ一緒にどうですか?」という感じで、私は細々と続けています。

 

―楽しいビブリオバトルを、どんな人に知ってほしいとか、どんな人に興味を持ってほしいといった思いはありますか?

例えば、あまり本に興味がなかったけど、このビブリオバトルに参加して本を読みたくなったという方向でやっているのか、それとも本が好きな人同士で感想を直接伝え合う場を提供したいという思いでやっていますか?

 

水島さん:うーん、それでいうと、どうなんでしょうか。今は集まっているのが本を好きな人ばかりなので、本に興味がない人にという要素は少し薄いかもしれません。でも、大勢の前でやる場合だと、「ちょっと覗いてみただけだけど、面白いことやってるなー」と思ってもらえるかもしれません。自分の読む本は割と他の人が読んでないことの方が多いんですよ。そういう本を紹介すれば、他の人にも読んでもらうきっかけになりますよね。だから、その本を手に取ってみたいと思ってくれる人が一人でもいれば、私自身はそれで十分です。

 

ただ、本を共有する方法はビブリオバトルに限りません。ビブリオバトルは最後に投票があるので、それが受け入れられないという人がいるのはもっともだと思います。私にはビブリオバトルが肌に合っていますが、別の形で本の楽しさを勧めていただくのも良いと思います。いろいろなやり方がありますが、本の良さを一人でも多くの人に共有したいという気持ちでやっていますね。

 

次にビブリオバトルのルールをお届けします!

 

【ビブリオバトル公式ルール】

https://www.bibliobattle.jp/rules.

 

1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。

 

2.順番に1人5分間で本を紹介する。

 

3.それぞれの発表の後に,参加者全員でその発表に関するディスカッションを2〜3分間行う。

 

4.全ての発表が終了した後に,「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員が1人1票で行い,最多票を集めた本をチャンプ本とする。

 

次回は当日の様子と参加者さんたちとのインタビューをお届けします!お楽しみに!

 

 

 

■新潟市立中央図書館(ほんぽーと)

〒950-0084

新潟市中央区明石2丁目1番10号

 

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