はたらく

WORK

株式会社加藤組

2025.02.07

新潟県×にいがた鮭プロジェクト 学生が建設企業の魅力を発見! ~第3回 株式会社加藤組~

―新潟県連携事業―企業の魅力発信・学生取材チーム
新潟県には、道路や河川、砂防など、私たちの生活に欠かせない大切な役割を担い、地域を支える建設企業がたくさんあります。にいがた鮭プロジェクトでは、新潟県と連携し、学生目線で建設企業の魅力を発信していきます(全4回)。
今回は村上市に本社を置く、株式会社加藤組を取材しました。2024年に創業100年を迎えた歴史ある土木建築会社です。
土木事業部の田村悠衣さん(22)、正水彩加さん(24)、建築事業部の今石美早紀さん(24)の若手女性社員3人と土木事業部係長の長谷部伸一さん(48)、代表取締役社長の加藤善典さん(48)にお話を聞きました。

【取材者】
蓬田 理菜(新潟大学4年)
大橋 麻衣(新潟大学4年)

 

 

1.加藤組の「はたらく」

 

加藤組では、街に必要な工事や個人住宅の建築設計など、建設業に関わるさまざまな業務を行なっています。今回のインタビューでは、業務内容のメインとなる土木事業と建設事業についてお話を伺いました。

 

土木事業の主な仕事は、期日までにきちんと業務が完成するように計画を立て、現場作業員へ指示を行う「工事現場の進捗管理」、進捗状況や測量結果などをまとめる「工事進行のための書類整理」や「測量作業」などです。また、災害など有事の際の修復工事では、泥の撤去や倒木の処理、排水、行政からの委託を受けた災害復旧助成事業などを行います。頑張っている姿に地元の人から感謝されることも多く、喜びの声を直接聞けることは現場で働く魅力の一つとなっています。

 

災害復旧の作業現場を視る田村さん

 

令和4年8月豪雨災害の復旧工事現場 春木山大沢川の様子

 

次に、建設事業についてみていきます。建設事業のメインとなる作業は、「お客さまと専門工事を行う職人をつなげる」ことです。実際にどのような建物を完成するのか、その期間や完成図、料金などお客さまと職人との話をまとめる「仕様書の作成」や「双方の意見の調整」などです。以前、取引があった客さまから、新たな依頼を受ける場合もあります。新規の取引よりも、そのような取引が多いです。

 

入社後1カ月間は研修期間を設け、土木・建築と内容を分けずに一般的な知識を得ることができるため、未経験でも不安なく働くことができます。

 

 

2. 「ゼロからイチを作る」というやりがい

 

今回のインタビューでは、やりがいについてお聞きしました。「工事の一つ一つの過程を見ることで、日々の生活の景色がつくられていく」「計画から完成まで一貫して見られる」(土木事業部)、「ゼロからいろいろなものができていく過程が楽しい」(建設事業部)など仕事に対する思いはざまざま。建設業は街にとっても、一人一人にとっても、生きていく上でなくてはならない存在です。必要とされるものが「ゼロ」から、「イチ」へ向けて働き、実際にその過程に携わり完成した姿を見ることは、建設業だからこそ感じられる魅力の一つです。

 

取材の様子(左から長谷部さん、正水さん、田村さん)

 

 

3. 会社であり、家族であるということ

 

家族のような職場環境の中で日々働くことができることも、加藤組の魅力です。今年初め、石川県を中心とする能登半島地震では多くの被害が出ました。その際、石川県に実家があり、今年春から入社することが決定していた新入社員のもとに、一本の電話が入りました。それは就職先である加藤組の社員からであり、安否を心配しつつ、前向きになる言葉をもらったそうです。

 

また、他の社員が新型コロナウイルスに感染した際、所属する部署の部長が「しばらく外に出られないだろうから」と気遣い、その日の食事を玄関のドアに掛けに来てくれたそうです。その後も休日にも関わらず、食料や必要なものを差し入れ続けてくれました。

 

多くの時間を過ごす場所であるからこそ、職場環境は重要です。加藤組では仕事を行う「会社」という組織であるとともに、ともに働く仲間の「家族」のような温かさに触れられる、そんな魅力があります。

 

 

ここからは、代表取締役社長の加藤善典さんにインタビューしていきます。今年創業100年となった加藤組について、会社の雰囲気や歴史についてお話を伺いました。

 

左から建築事業部の今石さん、加藤社長

 

―これまでにお話を聞いた従業員が、「アットホームな会社」だと口をそろえます。会社の温かい雰囲気をつくるために、社長として大切にしていることは何でしょうか。

 

加藤社長:私は、加藤組にある技術を世の中のために生かして、上手く使うために、人が来る会社にしたいと考えています。そのためには自分が社員のことをよく知っている必要があると考え、就任当初、社員から意見を聞く座談会を開きました。座談会を通して、身近な先輩に良い人が多くいることが重要だと気付きました。「尊敬する上司は誰?」というテーマの会で、身近な先輩を挙げる人が多かったからです。

 

社員全員が働きやすい環境にするためには、身近な先輩とよりよい関係を築いていく必要があります。そのために、「社風」が何よりも大切です。活気があり風通しの良い環境があることで、社員もその風土に染まっていきます。

 

 

―社員からも、先輩からの家族のような温かい対応を受けたエピソードが聞けました。その社風の原点はどこにあると考えますか?

 

加藤社長:実は、会社が倒産しかけた時期がありました。今から50年以上前の昭和47(1972)年の話です。

現在とは体制が違い、親方が人を集めて班に分かれて仕事をしていました。この体制の結果として会社の統制がとれずに経営が傾いたとき、「加藤組のため、地元のため」という思いを持った親方が残ってくれて会社を立て直したと聞いています。

その思いを今でも脈々と引き継いで、加藤組の社風につながっています。

 

 

―次に、採用についてお聞きします。どのような人を採用していますか?

 

加藤社長:一緒に働いてみないと、その人の人柄は分からないと考えています。基本的な受け答えができていれば一緒に働きたいと思って採用しています。

先ほども話したとおり、どんな人も会社の風土に染まっていきます。

 

 

―社員が、選考もアットホームだと話していました。選考過程について聞かせてください。

 

加藤社長:例年、2次選考は私が面接をしています。2次選考で社長面談があるのは珍しいですね(笑)。最終面接では、働くイメージをつかんでもらうために、実際に現場を見に行きます。

 

社員の今石さんが、最終選考の時に社長や社員を交えてご飯を食べたと話していました。誰もが想像するような堅い面接の雰囲気ではなく、そこでの会話から、仲の良さや人の良さを感じて入社を決めたと話していました。

 

取材の様子。お二人の仲がとても良く、和気あいあいとした雰囲気の中お話を聞けました。

 

―最後の質問です。加藤組は今年、10年連続で国土交通省の「工事成績優秀企業」に認定されました。どのようなことに気を付けて日々業務をしているのでしょうか。

 

加藤社長:社員全員で基準(仕事の質)を高く保ち、工事の品質に気を付けています。仕事には熱意とスピードも求められます。

そして、やはり会社の雰囲気、風土が大切です。分からないことは先輩に聞ける、先輩、後輩で話し合える環境があるからこそ、仕事を的確に進めることができます。身近な先輩に相談できる環境が社員を成長させます。この循環があることで、質の高い仕事ができています。

 

 

●取材を終えて

ここまで加藤社長からお話を聞いて、社員と社風を大切にしていると強く感じました。社員同士や社長と社員が話している様子を見て、本当に仲が良く、良い関係を築いている印象を受けました。体育会系の印象を持っていた「建設業界」のイメージが大きく変わる取材時間でした。

 

 

●取材企業

株式会社 加藤組

代表取締役社長 加藤 善典

事業内容   土木一式工事、建築一式工事、関連工事

創業          大正13年4月10日

本社所在地 新潟県村上市久保多町7-3

電話 0254-53-4165

社員数     100名(令和6年4月1日現在)

 

カテゴリ記事