はたらく
WORK
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―どんな商品が売れていると考えていますか?
当たり前に聞こえるかもしれませんが、「安心・安全」でなおかつ「美味しい」ものだと考えています。弊社の社訓(越後製菓五訓)の中に「安心して食べられる食品を作ること」があります。食品メーカーとして、お客様に美味しいと思っていただけることが必要ですが、「安心・安全」がその前提としてあります。いくら美味しくても、安心して食べられなければ意味がありません。
上の画像:炊飯の工程を行っている窯工場
安心・安全という点で、食品メーカーの大変なところの1つに「衛生管理」があります。いくら包装資材(パッケージ)の工夫や品質保持剤の活用などで対策をしても、原料や製造ライン等が清潔でなければ安全性の担保が難しいため、日々の衛生管理(清掃・殺菌等)を徹底しています。
―消費者のニーズの変化についてどう考えていますか。
弊社商品カテゴリーの一つである無菌包装米飯(パックごはん)を例にお話しします。一昔前は大家族の世帯が多く、ごはんは炊飯器で一度にたくさん炊いて、みんなで食べるものでした。核家族化や少子高齢化が進展し家庭で炊飯する機会が減ったことで、常温で長期保存でき、必要な量を必要な時に簡単に食べられる無菌包装米飯の利用が広がりました。一方で、弊社は従来の無菌包装米飯の課題(廃棄包材のボリュームや量目等)に着目してきました。その中で開発されたのが「日本のごはん」です。
商品である日本のごはん(写真左)と食べ終わった商品100食分の容器の比較(写真右)
「日本のごはん」では、栄養バランスや使いやすさの観点から、量目をそれまで主流だった「200g」よりも40%少ない「120g」としています。また、環境への配慮から包装資材を大幅に減容化しました。
―具体的なターゲット層はありますか。
弊社にはいろいろな商品カテゴリーがありますが、あまりターゲットを絞っていません。例えば「ふんわり名人」のような米菓では、お菓子が好きなお子さま世代だけでなく、大人世代にも幅広く愛していただけるように作っています。
―CMの効果はありましたか。
「越後製菓といえばあのCM!」という感じで、認知度UPや購買促進につながっていると感じています。弊社の存在を知っていただくという点で非常に印象的なものだと考えています。
―全国展開についてどのような考えがありますか。
弊社では全国に営業支店を設置しています。現時点でも、おそらくある程度は全国的に認知いただいていると自負していますが、今後各地で商品の魅力をより広くお伝えできればと考えております。
―これから拡大していきたい地域は何かございますか。
特定の地域に限ってということは今のところありません。全国まんべんなく広めていきたいと考えています。
―地域ごとに戦略とか、こんな売り方をしていったらいいとか、そういうお考えはありますか。
各地の営業担当者が担当エリアの地域性や取引先のご意見等を踏まえ、それぞれの実情に寄り添う形で進めています。我々の本拠地であり、県内各地に工場がある新潟県では、地元ならではの商品づくりに取り組んでいます。例えば、米菓「新潟の星」については、原材料は新潟県産米100%で、“新潟を代表する米菓となるように”という願いを込めて企画したものになります。販売は全国で展開していますが、新潟を意識して地元に根差して生まれた商品です。
―県外のお客様は新潟のブランド名を使った商品をよく買われますか。
新潟と言えばやはりお米が美味しいと全国的に認識されていると思います。ですので、原材料に新潟県産米を使用することはひとつのアピールポイントだと捉えています。
―海外での商品展開について教えてください。
近年、米菓商品での海外展開に注力しています。国内のロングセラー商品「ふんわり名人」を今年2月ごろから北米で本格展開しています。商品名やパッケージデザイン等、現地に合う形で工夫をし、巨大な市場を開拓しているところです。
―これまでの質問でお聞きした全国展開や新商品の開発、海外輸出への注力など、今後の大まかなビジョンはありますか。
国内・国外問わず、越後製菓の商品をもっと広く知っていただいて、ファンを増やすというところですね。お客様が求めていることに対して、弊社にしかできないものを作り、お客様に喜んでいただいて・・・というプロセスを繰り返し、自然とファンが広がっていくと考えています。
まとめ
安心・安全、そして美味しさにこだわり続けてきた越後製菓株式会社。あの印象的なテレビCMで全国的な知名度を誇る同社は、時代の変化とともに商品の形を進化させ、今や国内のみならず海外市場へもその一歩を踏み出しています。「いくら美味しくても、安心して食べられなければ意味がない」と語るのは、総務部の風間勇太さん。社訓にも掲げられた“安心して食べられる食品づくり”は、品質管理にも表れています。また、時代のニーズに合わせて、使いやすい商品や調理の手間を省いた製品を開発し、ターゲットを限定せず、子どもから高齢者までが楽しめる“みんなのお菓子”として、商品展開を広げてきました。現在では米菓を中心に、海外市場への本格進出もスタートしました。「国内外問わず、越後製菓のファンをもっと増やしていきたい。」そう語る風間さんの言葉には、これからの“越後製菓の挑戦”がはっきりと込められていました。
新潟食料農業大学3年 三膳恵叶 (撮影:新潟大学 2年 星春希)