はたらく
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フェリー前方にあるサロンから見える風景
■航路:新潟からのフェリーは「新潟フェリーターミナル」(新潟市東区古湊町の山の下ふ頭)から出航。北海道・小樽をメーンに、秋田、福井県・敦賀、北海道・苫小牧(秋田経由)のそれぞれの港と新潟を結ぶ4航路がある。
■輸送物資:北海道からはジャガイモをはじめとした農作物、サンマなどの生鮮食品、牛乳など。新潟を玄関口とした本州からは宅配便や飲料、電化製品、生活用品などさまざま。コンサート機材といったイベントを支えるような物資もある。
■仕事:新日本海フェリーの本社は大阪。ほかに小樽本店、支店が舞鶴、敦賀、新潟、東京、札幌、苫小牧、秋田それぞれにある。新潟支店は高卒採用で、陸上からフェリーの運航を支える業務を行っている。新潟での勤務だが、ステップアップを目指して一定期間、県外の支店で働くといった希望も出せる。
インタビューに応えてくださった淺地雅大さん。来県した方へは笹川流れやフェリー乗り場近くの歴史博物館みなとぴあを紹介しているそう
―新潟支店の仕事を詳しく教えてください。
新潟支店の業務は主に2つに分けられます。①港頭(こうとう)業務:船の離発着を港で支える現場作業。例えば船が着岸する際に港に固定したり、トラックなどの乗り込みを誘導したりといった作業です。私は主にこちらの業務に当たっています。②旅客業務:発券作業などお客様とのやり取りに関わる仕事です。予約を受け付けたり、発券窓口で対応したり。改札でお客様を誘導する業務もあります。
新潟支店の職員は約40人。一応、業務担当はありますが、きっちり線引きされているわけではありません。みんながやれることをやる、協力し合うという感じです。私も現場作業だけでなく、乗船予約の対応をすることもあります。
だからお互いに教え合う雰囲気はすごくあるんですよ。新人は最初の半年間、OJT研修(現場での実務を通して指導役の先輩から学ぶ)で業務を覚えていきます。ですが、その後も分からないことは積極的に教えてもらいながら、スキルを身につけていくことができます。
いくらちゃんに丁寧に説明をしてくださる社員の方
―新日本海フェリーに就職した決め手は?
就職後も新潟で暮らしたかったので、新潟の会社で探していました。部活のあこがれの先輩が就職していたことから興味を持ちました。会社が新潟で歴史を築いており、人々の生活に必要とされている仕事ができる。「こんなに大きい船を自分たちで動かせる」とロマンもありました(笑)
―この仕事の楽しさは?
フェリーを港に迎え入れて、送り出すまでは時間との勝負です。着岸したら乗船客や車両を降ろして、次の出発までに新たな乗船客の迎え入れや車両の積み込み作業をします。小樽行きのフェリーだとすれば着岸9:15~離岸12:00の間に、これらをすべてやり終えなければいけません。
ただし乗船客の命を預かっているわけですから、安全性も絶対。だから効率のいい作業が求められます。例えば乗船するトラックに指示を出して、船内の駐車スペースに並べていく仕事。職員それぞれのやり方がありますが、うまく短時間でできたときはうれしいですね。
私は入社3年目。1、2年目は先輩社員のやり方を真似していましたが、今は自分なりのやり方をもっと増やしていきたいと思っています。
フェリーが着岸した際の作業の様子
―では、やりがいは?
就活時は接客を目指していたんですよ。でも、ここも乗船客に対応するので、接客もできるかなと。フェリーターミナルって、旅の入り口なんですよね。だから、笑顔で送り出すよう意識はしています。乗船客から「ありがとう」と声を掛けられたり、小さい子が手を振ってくれたりする。トラックドライバーとも顔見知りになって、あいさつするようになる。そんな乗船客との関わりがうれしいです。
それから、フェリーは移動手段であり、生活の必需品を運ぶ物流でもある。北海道のものを本州へ、本州のものを北海道へ運び出すには欠かせない輸送手段です。一度に大量輸送ができるので、車輸送よりもコストを抑えられますし、二酸化炭素排出量も少ない輸送手段です。環境負荷の低減などから国も船舶輸送を推奨しています。港での仕事が、人々の生活に直接関わる物流の支えとなっていることがやりがいです。
今回取材した丸山雅さん(手前)と星春希さん
丸山雅(新潟大学4年生)
自分と年齢の近い淺地さんが、お客様の旅の入口を最高な思い出にしようと日々奮闘している姿が印象に残っています。明るい笑顔で業務内容を紹介する姿や、フェリーの客室案内をする姿はとても活き活きとしており、仕事に大きなやりがいを感じていることが伝わってきました。先輩社員の方々が見せる温かな関わりからも、淺地さんが若手でありながら期待され、信頼されていることが伝わってきました。
フェリー内を誘導していただき、いろいろと学びました!
フェリーはお客様を目的地に送り届ける役割というイメージが強かったのですが、私たちの身近な物が北海道から貨物としてフェリーでも運ばれていることに驚き、私たちの生活の支えになっていることを改めて実感しました。
客室を見学すると美しい日本海を一望できるような設計になっていました。特にスイートルームはバスルームからも海を眺めることができ、至福のひとときになると思いました。フェリー内にはカラオケや映画鑑賞ができ充実していますし、窓から日本海を眺めていると大海原を渡るという非日常感で目的地に着く前からわくわくしそうです。私はフェリーには乗ったことがないので、社会人になったら特別な日にスイートルームで北海道に行ってみたいです。
フェリーの先端にある「フォワードサロン」。誰でも利用できる
星春希(新潟大学2年生)
最も印象的だったのは「船内の豪華さ」です。
船内に入ってから目に飛び込んで来たのはホテルのような階段でした。カラオケ、映画鑑賞ができる部屋などのエンタメ施設があり、長時間の船旅が退屈しないように工夫されていました。大浴場やレストランなど乗船時間を楽しむための設備も充実しており、フェリーが目的地までの「移動手段」から「旅そのもの」へと印象が変わりました。
エントランスのデコレーション。華やか!!
淺地さんは仕事を心から楽しんでいるという印象を受けました。また新日本海フェリーさんでは職場の仲がとても良く、若手にチャンスを与え、若者が働きやすいというイメージを持ちました。この環境が淺地さんとマッチしたため仕事を楽しめているのではと感じました。
9月の北海道旅行では20時間近くフェリーに乗るのが不安でしたが、実際に見学してみてあらゆる娯楽施設があり、船旅が楽しみになりました。
船内のレストラン。予約すればコース料理が楽しめる
2025.09.25 WORK
2025.09.04 WORK