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株式会社ウオロク ホールディングス
「株式会社ウオロク」は新潟県新発田市から発祥した県内に現在、46店舗展開するスーパーマーケットです。元々は江戸時代の魚屋であった「五十集屋六右ェ門」(いさばやろくえもん)というお店でした。
スーパーマーケットとして鮮魚を強みとして大切にし、他にも肉や野菜などさまざまな商品を提供しています。
また人口減少と高齢化問題に合わせた販売として移動販売や、環境経営を意識し新潟市江南区ではリサイクルセンターも稼働しています。

ウオロクの鮮魚について語る金子さん
―金子さんと茨木さんがそれぞれ思っているウオロクや鮮魚の強みを教えてください。
金子さん:「株式会社ウオロク」の一番の強みとして魚市場の買参権を持っているということです。新潟市の「新潟市中央卸市場」と柏崎市の「柏崎魚市場」と新潟県の「新潟漁業協同組合」の3つが主にあって、魚市場から直接買うことができるのが強みです。買参権を使えるのは仕入れ担当のバイヤーで、「競り」などから買えるようになります。
「競り」って朝が早くて、朝5時から始まります。また「競り」の前にもやることがあって、「競り」が始まる前の「相対取引」やその日に仕入れる予定の魚をチェックしたりなどがあるので実質深夜3時30分から稼働しています。その代わり帰りが早いです。娘が保育園に通っていた時はそのままお迎えに行って、ご飯作って、お風呂入れて、寝るまでが私の仕事でした。
茨木さん:鮮魚だけには限らない話になるかもしれませんけど、弊社はずっと県内で営業してきたので、新潟県の人たちの嗜好や需要に応える力は企業としての強みだと思っています。また地域との関わりが凄く強い企業です。例えば本部の取組みですとお弁当教室やお買い物教室、それ以外のものですと店舗ごとに地域の学校や保育園との繋がりがあるので社会科見学の実施なども行っています。
商品に関するものですと、「お好み焼き甲子園」という企画があって高校生の方から様々な学校のチームごとにレシピを作って頂いて、優勝したレシピについては実際に店舗で商品化して販売し、大変多くの方から好評をいただきました。
―新潟県民の嗜好や需要についてのお話があったようですが具体的に教えてください。
茨木さん:わかりやすいところで言いますと、お肉に関して関西では牛肉の売り場が凄く広いんですよ。それに対して新潟県の人たちは鳥や豚を特に食べるという特徴があります。地域の暮らしの違いによって、売り場の比率やバランスが違います。その中で商品のパックの大きさを喜ばれるようなサイズに店舗ごとに合わせています。

新潟県民の特徴に合わせた商品販売について語る茨木さん
金子さん:鮮魚目線で言うと、鮭の売り場が他県と比べて広いです。塩引き鮭や新巻鮭が名産ということもあり、市場に広く出回っています。塩分が濃いのが好きな方が多い地域では塩味の強いものを品揃えしたりしています。魚卵系も同様で村上市や胎内市などでは好まれる方が多いので広く売り場を作っています。また地域の特産の醤油や味噌などを使ったコラボ商品やオリジナル商品を作って販売しています。
茨木さん:新潟県内でも地域によってブリやマグロの人気の度合いが違ったりしますよね。異動してみると全然違います。
金子さん:同じ県内でも地域によって嗜好や好みの違いがあります。結構面白いです。ウオロクはそれぞれの地域に合わせた売り場づくりに力を入れています。
―販売するまでの工夫について教えてください。
金子さん:刺身や丸魚(丸ごと一匹)を扱う鮮魚部門というものがありまして、他のスーパーでは寿司などは惣菜部門で作っているのですが、ウオロクは塩ものや味付けの塩干、寿司も鮮魚部門で担当しています。工夫とすると時代別にニーズが変わってくるのでそれに合わせて形態を変えています。また丸魚って午後から売れ行きが落ちるんですよ。なので、午後になったらお造りや切り身にして売ろうかとか、じゃあ一晩味噌に漬けて西京漬けにしようかなど、臨機応変に対応しています。
茨木さん:ウオロクで丸魚を買った時に無料で柵どりや切り身に加工するサービスがあるので、魚に触れやすいと思います。また、私が商品のこだわりについて個人的に凄いと思ったのが、タイについてです。食卓に並ぶ時間帯から逆算して一番美味しいタイミングを狙って絞めているところが流石ウオロクだなと思いました。
金子さん:ありましたね。2014年のことですよね。当時、静岡の養殖しているタイだったんですけど、タイってメインの生産地が愛媛県などの四国の方なんですよね。当時静岡県のタイってその時はあまり知名度がなかったんですが、新潟県からすると四国よりも静岡県の方が近いじゃないですか。その時はトラックによる運送が中心でしたので、大体新潟県に着くまで1週間の中で2~3回までだったんですね。だから静岡県のものだと前日水揚げをして次の日の夕方に一番うまみ成分が高まる時間に初絞めをして、それを持ってくるということをしていました。また検査の中でイノシン酸が一番高まる部位や食べた時に弾力のある部分を調べて販売まで繋げていきました。

インタビューに応じる茨木さん(左)と金子さん(右)
金子さん:家で丸魚を焼くのが大変な方には魚惣菜が結構人気です。魚惣菜に関しても色々あるのですが、焼き魚や煮魚、唐揚げ、お弁当などあって、味の方向性などもたくさんあるのでオススメです。大学生に向けてオススメだと、サバの味噌煮や魚の唐揚げ、マグロ系など、お酒のつまみとなるものがオススメです。ウオロクの鮮魚売り場ってメニューで分けているのではなくてマグロやサバであったりホッケであったり魚種で分けているので、来店した際には注目して貰いたいですね。冬であれば牡蛎、ブリ、タラをオススメしますね。鍋料理などであれば美味しく食べられますよ。
茨木さん:私のオススメですと季節ごとの丸魚を買って食べて貰いたいですね。そもそも鮮魚は利益につながりにくい上に消費者の料理離れなどがあって、売り場を縮小している企業もあります。しかし会社名が魚屋に由来している「ウオロク」ですから、魚の魅力を知ってほしいです。料理を手間と思わず、ぜひ調べながら食べるまでの魅力を体感していただきたいです。冬の時期ですと、本当に個人的な好みですけどアンコウをオススメしたいですね。肝が好きな方が多いと思うんですけど、私はアンコウの皮が特に好きで凄くプルプルしていて美味しいんですよね。冬でしか食べられないものですし、どこを食べても美味しいのでオススメです。

まとめ
「株式会社ウオロク」の取材を通して私は魚の魅力についてより深く知ることができました。私自身、幼少期の頃から魚について図鑑などを通して調べたりみたり、魚料理を頻繁に食べていた部分もあって、取材中はとても楽しくい時間を過ごすことができました。
また、魚に関する料理も詳しく教えていただいたので実際に試してみたいと思います。
皆さんはいかがでしたでしょうか?
今回の記事を読んでぜひ興味を持った方はウオロクを訪れた際にぜひ鮮魚の部分に注目してみてください!
開志専門職大学4年 佐藤 拓磨 (撮影:新潟大学3年 須永 ひなの)

■株式会社ウオロク