はたらく
WORK
WORK
―玉川堂で働くことになったきっかけを教えてください。
山田さん:かつて百貨店に勤務していた際、キャリアを積み重ねていくにつれ、多くのお客様との接点が増える一方で、業務の領域が「広く、浅く」カバーすることが重要となりました。玉川堂も取引先の一社だったのですが、商売を続けていくうちに、その職人技という事に興味が沸き、広く、浅くではなく、一つのことを掘り下げて、深い仕事をしたいと思うようになりました。社長との縁もあって玉川堂に入社することになりました。
―玉川堂での仕事、「燕三条 工場の祭典」立ち上げ
山田さん:玉川堂では番頭として、主に営業や企画を担っています。転職した当時は、全国の百貨店での展示販売などが多く、1 年の 3 分の1程度は県外への営業に行っていました。
しかし、2013 年に「燕三条 工場の祭典」というイベントの立ち上げに携わり、地域の魅力を再認識したことでその流れが変わります。「燕三条 工場の祭典」とは燕三条地域の工場を開放し、製造現場をお客様に体感してもらうことで工場や職人、ものづくりへの関心を持ってもらおうという事業です。当初は近年の職人の後継者不足や、閉業の増加など、様々な問題を抱えている状況を改善するための企画でしたが、いまでは芸術祭のように、県内外、さらには海外からも地図を片手に各自が思い思いに興味のある KOUBA(工場)を訪れてくれる、地域の観光産業としての位置づけも担うようになりました。
その影響もあり、玉川堂へもかつての 10 倍のお客様が来るようになりました。それまでの県外への営業から、いかにお店に来てもらうにはどうすればよいかということを考えるようになり、仕事の方向性が転換していきました。
(「燕三条 工場の祭典」玉川堂)
―「燕三条 工場の祭典」と地域のつながり
山田さん:「燕三条 工場の祭典」により地域の工場どうしのつながりが深まるいい機会となりました。地元にいると当たり前すぎてその価値に気が付かない人もたくさんいます。イベントを通して、地域外の人々からの評価を得ると同時に、地元の人々が地域に誇りを持つきっかけになり、少しずつそれが実感されていると思います。
また、「燕三条 工場の祭典」がきっかけとなり、徐々に年中工場を開放する企業が増えてきました。お客様の選択肢が増えた事によって観光地ではない燕三条にいらっしゃるお客様が増えてきました。製造の現場を開放するクラフトツーリズムは、この地域に伝わる技術やこだわり、思いを次世代につなげていく一番の近道になると考えています。
(店舗の座敷には人間国宝 玉川宣夫さんの作品も!)
―山田さんにとって「はたらく」とは何ですか?
山田さん:「人の役に立つこと」だと思います。「はたらく」という事に対して、自分の中に明確にこれというものは、正直、未だにわかりません。その時々で違うことに興味がわいてくるかもしれないからです。最初から「これをする」と幅を狭めずに、様々な展開をしていくことが大切だと思っています。
―山田さんの「たすいち」を教えてください。
山田さん:今は、地元の子供たちの教育などにも興味があります。地元の子供たちが小中学生のうちから、地元と触れ合うことで、将来全国各地に飛び立った際、その様々な場所で燕三条の良さを PR する人になってもらいたいです。
シリーズ「はたらく」玉川堂さんの第1回連載は番頭の山田立さんに「はたらく」ことの意義、燕三条の魅力についてお伺いしました。
玉川堂さんは「打つ。時を打つ」をスローガンとされています。これはお客様と関わる時間を大切にすることはもちろんのこと、製品を長く使っていただくなかで、経変変化で製品に味が生まれ、お客様の時間も豊かにしていくことを理念とされています。
次回は、玉川堂さんの工場に潜入、そのモノづくりの現場に迫ります。乞うご期待ください。
■玉川堂
〒959-1244 新潟県燕市中央通 2 丁目 2 番 21 号
TEL 0256-62-2015 / FAX 0256-64-5945
営業時間 平日 8:30〜17:30(日曜・祝日 定休)