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2022.11.24

新潟で活躍する若手社会人から学生がキャリアについて学ぶ|新潟ライフデザインカレッジ開講

鮭プロジェクト事務局
新潟で活躍する若手社会人と交流し、学生が自分自身のキャリア形成について考える「新潟ライフデザインカレッジ」が10月29日、新潟市中央区の新潟日報メディアシップ20階そらの広場で開催されました。県立大学を卒業して社会人4年目で、新潟市内の印刷会社勤務を経てベンチャー企業で活躍している齋藤華さん(25)をゲストに迎え、県内の大学生らが将来のキャリア形成について意見を交わし、交流しました。
新潟市が主催する3回シリーズの講座で、2回目は12月10日、3回目は来年2月18日に開かれます。初回は県内の大学や専門学校に通う学生9人が参加しました。

■導入講義「自分の人生を自分で考えて決めよう」

 

カレッジのコーディネーターは、新潟を拠点に全国各地のプロジェクトに携わっているInquiry合同会社 CEOの山本一輝さんが務めました。山本さんは冒頭の導入講義で、「これからは人生100年時代といわれる中で、20歳前後で就職し、65歳で定年を迎え、80歳前後で亡くなるという人生ではなくなってきている」と指摘。気候変動や新型ウイルスの流行、ロシアのウクライナ侵攻など世界的な動きがダイレクトに自分の人生に影響を与える社会になっており、学生たちに「今の時代はITや通信技術の発展で、いつでもどこでも働くことができるようになっている。自分で自分の人生を決めていくことが大事。ゲストの齋藤華さんの話をぜひ参考にしてみてはどうでしょうか」と呼び掛けました。

 

(導入講義で学生たちに語りかける山本一輝さん)

 

 

■ゲストトーク「人をサポートし、人をつなぐ仕事にやりがい」

 

初回のゲストは、県立大学を卒業し社会人4年目の齋藤華さん(25)。現在はベンチャー企業の「株式会社DERTA」で、新潟にいるクリエイターを集めて検索できるサービスを提供したり、発注者とクリエイター、またはクリエイター同士をつなぐことで地域の課題解決をサポートする事業を任されています。デジタル・デザインに関するイベントも定期的に開催し、クリエイターらがつながるコミュニティづくりにも取り組んでいます。ゲストトークでは自分自身の半生を振り返り、どのようにして今の仕事に至ったかを学生たちに伝えました。

 

(新潟ライフデザインカレッジ初回ゲストの齋藤華さん)

 

齋藤さんは群馬県の高校を卒業し、保育士になることを目指して県立大学に進学しました。大学で講義や実習を重ねる中で、「保育士になってその業界の中で生きていくよりも、色んな人と関わり、支える役回りをしていくのが自分には合っているのかもしれない」と考えるようになったそうです。

 

(学生たちに自身の経験を話す齋藤華さん・左奥)

 

大学3年のころには漠然と保育士の道に進むのではなく、さまざまな人と関わりを求めて一般企業への就職を考えるようになりました。そして保育士の資格を取得した上で、大学卒業後に新潟市内の印刷会社に就職しました。営業などをやる中で、印刷業界が紙からデジタルへの移行を迫られる動きがあり、会社の自社メディア「セナポン」の立ち上げに関わりました。

 

齋藤さん自身も情報発信者の1人として、「食べる」「カフェ」「新潟出身」などのカテゴリーごとに、新潟の魅力をサイトで発信する仕事に取り組みました。自分自身が情報発信者となる中で、発信した記事などを見た社外の人から直接、齋藤さんに声が掛かるようになったそうです。その中で今年、現在の会社に転職しました。副業にも取り組んでおり、自治体が運営するメディアの外部編集者の仕事などもこなしています。

 

 

■トークセッション「自分が動く中で生まれたつながりを大切に」

 

トークセッションでは、コーディネーターの山本一輝さんとの対談形式で、齋藤さんがあらためて自身の人生を振り返り、その時々に感じたことなどを話してくれました。

 

(トークセッションで人生を語り合う齋藤華さん(左)と山本一輝さん)

 

齋藤さんはあらためて振り返ると、引っ込みがちだった幼稚園時代に出会った優しい先生とのふれあいが、大学で保育士になることを目指す原体験だったそうです。群馬県での高校時代は活発にしゃべるタイプだったそうです。周りの同級生たちが様々な価値観を持っており、そんな仲間と過ごすことで刺激を受けながら、充実した高校生活を送りました。

 

そして高校卒業後、保育士資格を取得すること目指し、親元を離れて新潟市にある県立大学に進学。県内の様々な場所を訪れる中で新潟での生活が気に入り、就職も新潟で探すことにしたそうです。

 

新卒で就職した印刷会社で転機となったのが、新潟の魅力を発信することを目指して、齋藤さんが立ち上げに関わった自社メディア「セナポン」でした。当時は個人を出して発信しているメディアがほとんどないことに目を付け、齋藤さん自身も情報発信者として、新潟の情報を発信するメディアに携わりました。

 

(齋藤さんの話に耳を傾ける学生たち)

 

ネットの世界で、双方向でつながることができる自社メディアで発信することで、齋藤さんの存在に気づいてくれたさまざまな人とつながることになったそうです。そんなつながりの中で現在の会社への転職に至っています。

 

参加した学生たちには「やりたいことが見つからなくても、さまざまな人と関わっていくと、自分と他人との違いに気づき、自然と自分が得意だと思えることが見つかるはず。失敗もあるだろうけどもとことんやってみたらいいと思います」とアドバイス。「まずは人との出会いやつながりのために、自分から動くことが大事ではないでしょうか」と話してくれました。

 

 

■グループワーク「自分が動くことで必ず道は開ける

 

グループワークでは学生たちが三つのグループに別れ、齋藤さんの話を聞いた感想などを話し合いました。学生たちの声と齋藤さんの感想やアドバイスを紹介します。

 

(グループワークで感想などを話し合う学生たち)

 

 

グループA「齋藤さんは自己分析が上手な方だと感じました。自分のことを良く理解し、自分を表現している人だと思いました」

 

齋藤さん「たくさんの方と関わっていく中で、助けてくれる人や、頼れる人が出てきたという感じです。自分が動くことで道が開けるのではないでしょうか」

 

グループB「学生の自分は軸がないことに悩んでいましたが、まずは自分から情報を取りに行ってみるのも大事だと思いました。齋藤さんが保育士から別の業界に進んだのはすごい選択をしたと思います」

 

齋藤さん「違う業界に進んでも、大学で学んだことは生きていると思います。保育士の資格を持っていることが、もしも今の仕事がなくなっても、『保育士の仕事がある』という安心材料にもなっています」

 

(感想を齋藤さんに伝えアドバイスをもらいました)

 

グループC「齋藤さんは変える勇気がある人だと感じました。自分のやりたいことを選択しているのがすごいです。学生の自分も、これから学んだことを発信することに挑戦してみたいです」

 

齋藤さん「会社の中の自分よりも、自分があっての会社という意識で仕事をするのが大事ではないでしょうか。そうやって発信することで、会社ではなく自分に仕事が来るようになると思います。リスクもありますが、自分の信用を上げていくのが大事だと思います」

 

 

■交流会「身近なロールモデルから人生を学ぼう」

 

最後は交流会で新潟のお菓子やお茶を楽しみながら、キャリア形成について意見を交わしました。交流会には齋藤さんや山本さんも学生たちの中に入り、自身の体験を伝えてくれました。

 

(お茶やお菓子を楽しみながら歓談する学生ら)

 

コーディネーターの山本一輝さんは大手企業のサラリーマン時代に、東日本大震災の被災地でボランティアをやったことがきっかけで独立した体験を紹介。学生たちには「どこで働くかにとらわれず、身近な所にいる人をロールモデルとして、その人から仕事に対する考えや人生とどのように向き合うかなどを学ぶことが大事です。数年後は、学生の皆さんが身近なロールモデルとなっていたら素晴らしいと思います」と話していました。

 

参加した学生からは「普段は授業など目の前にあることに精一杯で、長い時間軸で人生のことやキャリア形成について考えたことがなかった。年の近い先輩の話を聞けてとても参考になりました」といった感想が聞かれました。

 

カレッジ2回目は、新潟市中央区の新潟市歴史博物館みなとぴあ・旧第四銀行住吉町支店1階営業室で、12月10日に開催します。ゲストは元教員で、現在は学校や先生たちをさまざまな側面からサポートしながら、フリーランスとして活躍している木村有希さんを迎えます。たくさんの学生の皆さんからの参加をお待ちしています。

 

 

2023年度「新潟ライフデザインカレッジ」の参加申し込みは以下のURLから↓

https://form.run/@niigata-nippo-k59Ne3qWh-niigata-lifedesign-college2023

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