まじわる
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-広々とした畑ですね。
小林さん:カーブドッチの起源は約30年前で、最初はぶどう畑を作るところから始まりました。ぶどう畑の広さは9ヘクタールくらいあります。と聞いてもどれくらいの広さかイマイチ想像できないですよね(笑) カーブドッチでは年間約10万本のワインを製造していますが、半分くらいは他の畑から仕入れたぶどうを使っているので、9ヘクタールだと約5万本のワインを造れるかなと思います。
小林さん:ぶどうの収穫は8月中旬から 10月上旬にかけて行われるので、今は収穫のほとんどが終わった状態です。(取材は10月17日に行いました。)収穫する際は、ぶどうを1つ1つ、栽培のスタッフが手作業で丁寧に収穫していきます。ぶどうは木の上の方に実っていると想像される方が多くいらっしゃるのですが、 カーブドッチの畑では、木を上に伸ばさない「垣根式」を取り入れています。これにより、ぶどうが腰の高さ辺りに実るので、収穫がしやすくなります。日々調整しながら栽培を行い、冬には剪定を行います。
-栽培しているぶどうは何種類ありますか?
小林さん:カーブドッチでは19種類のぶどうを栽培していて、その全てがワイン用のぶどうになります。 食用のぶとうとは少し味わいが違うんですよね。そしてワイン用のぶどうは糖度が高いです。ワインは糖分を発酵させてアルコールにするので、糖度が高いことが求められます。
小林さん:こちら=※写真①=は「カベルネ・ソーヴィニョン」という品種で、赤ワイン用の黒ぶどうが実ります。少し葉っぱが紅葉してきていますね。30年くらい前に植えた木で幹がだいぶ太くなってきています。白ワイン用に「アルバリーニョ」というぶどうの品種も栽培しています。
小林さん:土壌についてですが、土が結構サラサラしていますよね。ここは海から近いので、ここ一帯が砂浜のような土壌になっています。これがカーブドッチで1番の特徴です。ワイン用のぶどうをサラサラした土で栽培すると、水捌けが良かったり、根が張りやすかったりするので、木が正常に育ちやすいです。一方で、栄養分が少なくなりがちなので、どう補っていくか苦労もあります。
小林さん:今年の春に植えたアルバリーニョ=※写真②=になります。育て始めてから実が採れるまでは5年くらいかかります。土壌の栄養が少ないので、最初のこの期間は特に苦労していますね。水やりをしっかりとしなければすぐに枯れてしまいます。ただ、色々な品種を育てる中で、この土壌だとワインの香りが良くなると分かってきました。今のところ最もカーブドッチの土地に合っていると思う品種はアルバリーニョです。花の蜜のような香りで、ちょっとアロマっぽい感じ?かな。難しいですね、ワインの表現って(笑) この土地ならではの香りを楽しめると思います!
-実が採れるまで5年くらいかかるとお聞きしましたが、実が採れて以降はどのようなところに苦労されますか?
小林さん:病気になりやすいかどうか、この土地に合っている味わいかどうかなどを何年も、場合によっては何十年もかけて検証するところですね。実が採れたら終わりではありません。先ほどカーブドッチの土地に合っている白ワイン用のぶどうはアルバリーニョだとお伝えしましたが、まだ赤ワイン用のぶどうは合うものを探している最中です。ワイナリーは日本国内で多くなってきましたが、どこも手探り中なのかなという気がしています。
-カーブドッチの起源が約30年前というのは全国で早い方なのでしょうか?
小林さん:カーブドッチは国内のワイナリーでは早い時期に創業した方だと思います。新潟市に限れば初めてのワイナリーなので、右も左も分からない状態からのスタートでした。
-どのような経緯で始まったのですか?
小林さん:創業者の「落希一郎」が全国各地を調査する中で、この土地がワイン産地として有名なフランス南西部の「ボルドー」に近いような栽培条件だと注目したのが始まりです。ボルドーと似ているのは、海が近く、海風が吹いている環境です。風が吹き抜けるので、湿度が高くなりすぎません。他には近くに川があり、夏がしっかりと暑く、台風があまり来ない点も似ています。ぶどうの木がしっかりと育つ土壌もあるので、ワイナリーに適していると判断したようです。
小林さん:木のこの辺りで剪定をして=※写真③=、芽が出てくるのがゴールデンウィーク明けくらいです。芽が出たらぐんぐんと成長してぶどうの花が咲き、7月くらいに実り、8月、9月あたりで収穫となります。半年近くで、収穫できるまでに育つんですよね。12月になれば葉っぱが全部落ちるので、その後、剪定を行います。
-気候の影響は受けていますか?
小林さん:この土地の梅雨の時期はあまり雨が降らず、青空の日が多いです。成長してほしい時期の雨が多すぎることなく、しっかりと日照時間があるので、適切な気候だと思います。冬についてですが、新潟は雪がすごく降るイメージだと思います。実際、あまりにたくさん雪が積もると木が傷みやすくなります。でも、ここは海が近いので積雪はそこまでではありません。そういった点もワイン造りに適している土地だと思います。
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