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2026.03.10
就活のスタートは4年制大学で、3年生の4~6月あたり。大学で就職ガイダンスが催され、準備期間と言える企業のインターンシップやキャリアプログラムがあり、公式上では3月初頭から採用に関する情報が解禁となる。4年生の4~9月にかけて選考が進み、内定式は10月初頭の企業が多い。
一方、今は前倒しが進み、3年生の9月頃から選考が始まり内定が出ることもある。これが早期選考。都心部はさらにスタートが早い傾向で、通年採用と言い切っている企業もある。
だが、採用が早まっているのは東京に本社がある会社が多く、東京とそれ以外、プラス地方の3段階で考えてほしい。実際は自分の大学や友達の状況を見ないと、本人も保護者も無理に焦るだけ。子どもに「先輩たちのスケジュールはどうなの?」と声を掛けてほしい。大学のガイダンスに参加すれば、その大学のスケジュール感も分かる。

講師を務めた一般社団法人キャリアラボの松田剛典・代表理事
インターンシップと言っていいのは5日間くらいで現場社員がいる場合。キャリアプログラムは1日で終わる説明会のようなもの。オープンカンパニーなどでいろいろな会社を見て選択肢を広げ、エントリーシートで筆記試験を受けてインターンシップへ行く。ここで選考が行われることもある。
企業は3月に情報を解禁したらすぐにでも内定を出したいので、選考が始まると期間は短い。ただし今の学生は準備期間に会社を見たり、体験したりできる機会がたくさんある。
地元の会社に多く接すれば、地元就職に関して後々に効果がある。帰りたいときに企業のイメージがないと不安。大学の低学年から自分を成長させる機会があり、地元を知れることは大きい。親も企業の就職向けサイトなどを見るといい。

企業が欲しがる人材はおおむね三つ。①主体性、②自分で考えられること、③最低ラインとしてコミュニケーション能力。当たり前のあいさつやマナーでつまずいている場合が意外とあり、指摘できるのは保護者だけ。あるいは他責志向で自分から動けていないことがあるかもしれない。
思考力や主体性、チームワークをどう評価するかは、取り組みとその結果による。今の就活に求められるのは、過去の行動。直前に力を入れて、ごまかすことはできない。学生時代の過ごし方が大切。大学1、2年生から課題解決型や産官学のプロジェクトなど学生だからこそできる経験をたくさん積むと、社会、会社、地域を知り、成長につなげられる。その点、新潟は自治体と学生のコラボが多い。親がやらせるのではなく、本人が興味を持って一生懸命やればプラスになる。

進学と同じように就活も保護者の影響は大きい。就活で悩む子には、「こんな情報があるよ」だけでもいい。新潟なら自治体と企業で地域を上げて発信しているUターン情報などを活用してもいい。ただし保護者側から使わせると良い結果にはならない。
保護者に求められるサポートは①目の前の課題に寄り添う、②無自覚な誤解の解消。①はつまずいている部分を整理してあげる。まず「心配だよね」と受け止め、背景を聞く。「なぜそう思ったの?」「大学や周りに相談してみた?」などと問いかけ、考えを言葉にしてもらう。②は本人の思い込みで論理が飛躍してネガティブに考えているパターン。「インターンシップに行かないと就活できない」「今からでは試験に間に合わない」といったことに、「誰が言っているの?」「一緒に冷静に考えよう」などと話して根拠を聞き出す。親自身が正しい情報を知っていれば焦らない。意見するのではなく聞き上手になる。
県外から地元就職を目指すならオンラインで対応できるものもある。「まずいろいろな企業をオンラインで見て、興味がある企業は本気を示すために足を運んでみたら」と話してみては。交通費は心配しなくていいから調べておくよ、と言ってあげて。
地元に戻るのは就活時だけではない。仕事で悩んだときに戻ろうかなという人もいる。結婚や実家近くでの子育てなどライフイベントもタイミング。戻りたいときに戻れる場所があるのは大事なこと。

編集後記:どの参加者も90分の講演の間、最初から最後までメモを取るなど熱心に耳を傾けていました。東京の大学に息子が通っているという方は「新潟の情報収集のサポーターになりたい」と話してくださいました。得てして緊張しがちな就職活動。親の温かさに改めて気づく。そんな温もりを感じる就活になりますように、と願わずにいられませんでした。