つながる
CONNECT
CONNECT
同校でのキャリア教育プログラムは、昨年度に続いての開催です。1年生約280人が参加しました。巻高校では卒業生の半分以上が県内大学に進学しています。大学に進学し、地元に就職することをより具体的にイメージしてもらおうと、本間組、森井紙器工業、藤田金属、日本精機、北越工業、マルタスギヨ、ツールボックスの7社で働く若手社会人が講師を務めました。いずれも大学の卒業生で、仕事内容や会社についての講義やワークショップを開きました。
新潟大学人文学部を卒業し、段ボールを製造、販売している森井紙器工業で働く髙野彩海さんは入社3年目で、営業をサポートしている職場で働いています。髙野さんは大学で主に平安時代の日本語についての研究の没頭した経験や、会社で注文の入った商品の伝票処理や取引に関わる問い合わせへの対応などをし、営業担当者をサポートしている自身の仕事について説明しました。
大学で学んだことと仕事に直接的なつながりはありませんが、髙野さんは「大学では自分から積極的に、自発的に勉強に励んでいた。そのような姿勢は仕事でも大事だと思います」と生徒たちに心構えの大切さを伝えてくれました。
今回のキャリア教育プログラムでは、生徒たちに「企業の課題を見つけて解決策を考える」というテーマが与えられています。髙野さんの授業で生徒たちは、段ボールの注文が入ってから設計、デザイン、製造、納品までのプロセスの中で、どんな課題が想定され、どうすれば解決できるかを考えました。
髙野さんの授業を聞いた生徒40人は10のグループに分かれ、それぞれ想定される課題と解決策を話し合いました。課題の一つに「商品の納入まで時間がかかる」を挙げたグループは、解決策として「製造工程を効率化して時間を短縮する」といった解決策を発表しました。「商品を配送するトラックの運転手が人手不足で足りていない」という課題について考えたグループは「仕事ややりがいを知ってもらってPRする」「SNSで情報を発信してみる」といった解決策を提案しました。
髙野さんは「会社の外からの意見はすごく新鮮で素晴らしい。会社の同僚や上司と内容を共有したい」と少し驚いた様子でした。授業を受けた男子生徒は「会社にはさまざまな課題があり、どんな解決策を取ればいいのかがよく分かった」と話していました。
本間組の授業を受けた女子生徒は「理系じゃなくても働けることが分かった。将来の仕事の選択肢にしたい」と理解を深めた様子。マルタスギヨの話を聞いた男子生徒は「仕事についてより具体的なイメージがわいてすごくよかった」と話していました。
生徒たちは来年2月、学んだ内容をまとめて発表会を開く予定です。