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2022.08.29

玉川堂②|創業 200 余年 工場に潜入 モノづくりの手技に迫る

MASU
玉川堂の製品は、ひとつひとつが職人の手作業で、丁寧にこだわって作られています。そのため、作品が出来上がるのには時間を必要とし、一度品切れとなってしまうと、すぐにはお客様のところに届かないそうです。創業 200 余年の歴史を継ぐその手技の現場を番頭の山田立さんに案内いただきました。

▼前回記事はこちらから

玉川堂①|創業 200 余年 その歴史を継ぐ 番頭 山田立さん

 

 

1.職人の手技が織りなす世界に一つだけのモノづくり

 

玉川堂の製品は、様々な過程を経て作られています。最初の段階では、鍛金という技法が用いられています。叩いては焼き鈍すという作業を繰り返すことで、最終的な形まで整えています。

 

 

何度も叩いて、製品の形になった後は、金付け・金焼きという工程に入ります。銅の表面に溶かした錫を手引きでめっきし、炉やバーナーで焼くこの工程で、どの温度で焼くかによって最終的な色が決まります。この工程でも職人の感覚と技が光ります。

 

 

カンコンカンコン―

工場では隣の人の声も聞こえないほどの音が響きわたります

 

金付け・金焼きのあと、全体の形を美しく整えると、装飾を施す段階へと移ります。装飾を施す際には、彫金という技法が用いられています。玉川堂の製品はもともと装飾がないシンプルな銅器でした。2代目から3代目のころに、玉川堂の製品を万国博覧会に出すことになり、そこから製品に装飾を入れるようになったそうです。硫黄の溶液につけて化学反応により黒くなった銅器を、職人が手で丁寧に磨き、最後に釜の中で煮て酸化発色させます。 さまざまな職人の手技を経て、世界に一つだけのモノづくりが完成します―。

 

(銅器が各種溶液に反応して全部で 9 色の色彩が施されます)

 

 

2.工場で働いている職人たち

 

職人と言えば、年配のおじさんが黙々と仕事をこなしている、そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?しかし、玉川堂はたくさんの若い世代が職人として活躍しており、その平均年齢は 30代半ばです。

 

玉川堂では日中は職人として働きながら、夕方からは個人の作家として修行されている方がたくさんいます。若い世代の人たちは、終業後に自分の技術を磨くため、作品を作っているそうです。また、毎年新卒社員を採用しています。若い世代が活躍できる場を提供するとともに 200 余年の歴史を継承しています。

 

 

燕三条というモノづくりのメッカで 200 余年の歴史を継承する玉川堂―。そこには歴史の継承と新しい文化の香りが漂っていました。是非みなさんも新潟が誇るモノづくりの文化を体感してみませんか。営業時間中は作業風景を見学することができます。

■玉川堂

〒959-1244 新潟県燕市中央通 2 丁目 2 番 21 号

TEL 0256-62-2015 / FAX 0256-64-5945

営業時間 平日 8:30〜17:30(日曜・祝日 定休)

https://www.gyokusendo.com/

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