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2025.04.23

「ぽんしゅ館①」―新潟の特産品を通じた地域活性化への想い

YOIFURE(ヨイフレ)
皆さんこんにちは!チームいくらちゃん「YOIFURE」です。
今回は、新潟駅、長岡駅、越後湯沢駅の3駅に店舗を構え、新潟県内のお酒や特産品などを発信・販売している「ぽんしゅ館」について取材してきました。
新潟県といえば、お米はもちろんのこと日本酒が美味しいことで有名です!
新潟の日本酒を含む食文化の魅力をどのように発信し、地域活性化につなげているのかを伺いましたので、お楽しみに!
最後は実際に「ぽんしゅ館 新潟驛店」の「唎酒番所(ききざけばんしょ)」で新潟県内の日本酒をいくつか試飲した様子をお届けします。ぜひ、最後までご覧ください!
今回取材に協力していただいたのは、「株式会社レルヒ」代表取締役社長の髙村秀夫さんです。日本酒のプロフェッショナルを育てる団体「SSI」認定の唎酒師と日本米穀商連合会認定の三ツ星お米マイスターでもあり、日本酒のスペシャリストです!

温厚な方で、話を伺うにつれて内に秘める情熱も感じました!

 

—新潟のお酒の魅力を伝えるには飲んでもらうのが一番だと思いますが、ぽんしゅ館では試飲ができる「唎酒番所」が人気のコーナーになっています。その目的と実際の効果を教えてください。

目的は、新潟のお酒を皆さんに知っていただくことです。唎酒番所ができたのは、30年前なのです。その時に新潟の酒は全国でも有名だったので、新潟県内の全酒蔵さんの日本酒を集めて飲める場所があれば、酒飲みからしたらたまらないよねという話になりました。そこで全酒蔵さんの日本酒が唎酒できるマシンが開発されたのです。

日本酒のエンターテインメントとしては最高だと思います。唎酒番所は日本酒を飲む場所というよりも、自分の感性に自ら問い合わせることができる所なのですよ。自分はどんな日本酒が好きなのか知ることは、結構楽しいじゃないですか。それが、お客様がリピートしてくださる理由になっているのだと思います。

もし、唎酒番所が無ければ、恐らくうちのお酒売場では今の半分しか商品は売れていないと思います。やはり、試飲して美味しいと感じたから、皆さんは買うのですよね。ですから、そのような相乗効果はかなり大きいものがありますし、新潟の酒蔵さんによる新潟の味を知っていただくという点で、効果的に機能していると思います。

 

―やはり観光客の方もたくさんいらっしゃるのですか?

はい。今、海外の方はとても多く、特に興味を持ってくれます。和食とか日本酒っていうのは結構注目されているみたいです。

 

唎酒番所の様子。お酒の種類がたくさんあります!指定枚数のコインを投入すると好きなお酒を試飲できます。

 

―試飲のシステムやおすすめの楽しみ方ってありますか?

多くの人は「どれを飲めばいいかわからない」って感じなのですよ。そんな時はまず好みを聞いて、それに合うものをおすすめします。うちでは、テーマ別にお酒を試せるガイドも用意していて、たとえば初心者向けの「入門コース」なんかがあります。新潟の淡麗辛口の味、甘口と辛口の違いなどを学びながら楽しめるようになっています。これからも、こういうメニューを増やしていく予定です。

昔は「辛口か甘口」というシンプルな選び方が多かったのですが、今はシチュエーションで選ぶ人が増えてきました。例えば、お祝いの席なら「鶴亀のラベルがついたお酒がいいですよ」のようにおすすめしています。あとは、季節やシーンに合わせて選ぶ楽しみ方もあります。「ビートルズを聴くときに合うお酒はこれですね」とか、そういう提案も面白いですよね。

お酒は嗜好品なので「絶対にこれが正解」ということはないです。その時の気分に合わせて選ぶことで、新しい楽しみ方が広がると思います。

 

―県内の酒蔵さんとどのように協力されていますか?

一蔵2ヶ月ずつ、ぽんしゅ館のいち押しの酒蔵を紹介する「酒蔵オンステージ」を行っています。要するにその一蔵だけを徹底的に紹介して、売っていく感じです。

ですから、酒蔵さんとは全部繋がっています。我々も酒蔵さんもたくさん売れるとうれしいわけで、その繋がりは結構強いです。

 

取材時は雪椿酒造さんが店内で大々的に取り上げられていました!

 

―店内に唎酒番所があるぽんしゅ館さんは県内に三店舗ありますが、それぞれの特徴は何ですか?

来店するお客様の層が異なっています。越後湯沢驛店はほぼ100%観光客とスキー客で、新潟驛店は出張などで赴いたビジネス客中心です。越後湯沢驛店では、具材がぎっしりと詰まった特大の「爆弾おにぎり」を販売していますが、南魚沼産コシヒカリを使っているので高いものでは、一個1,000円以上もします。おそらく日本一高いおにぎりです。この「爆弾おにぎり家」は越後湯沢駅と新潟駅にあります。

長岡驛店は売上が一番小さく、地元のお客様も多いです。そのため、品揃えは長岡の方向けに変えています。例えば、長岡の赤飯は赤くなくて醤油ベースですが、そういう商品を増やしています。長岡驛店では、より文化性や地域性を高めた商品を販売するようにしています。

 

取材の様子

―ぽんしゅ館が主催する講座「ぽんしゅ塾」のひとつ 「日本酒ナビゲーター認定講座」という資格講座とは何ですか?

新型コロナウイルス禍前は年に3回くらい開いていて、これまでに卒業生が300人程います。これは印象的で意味があったと思います。

県外の方も参加してくれるんですよ。新潟には多くの転勤族がいると思うのですが、他県から来た方がこの資格を取って地元に帰った際に「新潟で取ったんだよ」と自慢することで新潟の酒も広まるという狙いもあります。

 

―ナビゲーターになるために、どんなことを学んだりするのですか?

これは3時間の講座で日本酒の歴史やテイスティングを学び、試験はありません。

本来なら唎酒師には試験があり、ある程度まとまった費用も掛かって大変ですが、気軽に受けられるナビゲーターはその入口みたいなものなのです。3時間みっちり受講した人には、後日「日本酒ナビゲーター」の認定証が届きます。「私、資格を持っています」となると、それだけで話が盛り上がるし、履歴書に書いたら意外とアドバンテージになることもあります。

 

今回は日本酒の魅力やそれがどのように新潟の活性化に繋がっているのかを教えていただきました。しかし、「ぽんしゅ館」さんでは日本酒以外にも様々な商品を展開しているようです。次回はそのお話を含め、世界にも日本酒といった新潟の特産物を発信する試みと唎酒体験のレポートをお届けします。お楽しみに!

■株式会社レルヒ
〒949-6102 新潟県南魚沼郡湯沢町大字神立1003
TEL:025-785-5671

■ぽんしゅ館 新潟驛店
〒950-0086 新潟県新潟市中央区花園1-96-47 CoCoLo新潟メッツ館
TEL:025-240-7090
公式HP:https://www.ponshukan.com/

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