たべる
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―まず、波多野さんがカフェを始めたきっかけは何ですか?
波多野さん:
編むと紡ぐというお店は、2024年の2月にオープンしました。
1年前、もともとここにお店を構えていた「紡ぐ珈琲と。」さんが沼垂から東区松崎へ移転するという話を耳にしたとき、たまたま僕は仕事探しをしていて、お店の方から声をかけていただいたことが「編むと紡ぐ」ができるきっかけです。
そもそもなぜ僕がカフェをやろうとしたのかというと、すごく忙しい現代社会の中で少しでもゆっくり過ごせる時間や、自分をリセットできるポイントが欲しいと思っていたからです。
自分で欲しい環境を作りたいと考えたとき、それを実現できるのはカフェでした。
それで調理師専門学校のカフェ学科に入って、今までに得た知識を活かして自分のお店を開こうと思いました。卒業してからは10年間ずっと新潟でバリスタとして働いて、この「編むと紡ぐ」を今年開きました。
―自分で作ろう!と思い立ったのはすごい決断力ですね!
波多野さん:
そうですね、周りにそういう環境がなかったから自分で作ろうと思い立ちました。
―ちなみに、お店の名前「編むと紡ぐ」の由来は何ですか?
波多野さん:
「紡ぐ」は、もともとこの場所にあった「紡ぐ珈琲と。」さんの名前から取っていて、「編む」は、以前僕がやっていたカフェ「喫茶アム」の名前が由来です。
僕は五泉高校の出身で五泉市にゆかりがあったこともあり、半年間そこでカフェを営んでいました。
五泉市はニットの名産地で、ニット工場がたくさんあるんです。それで、あるとき五泉ニット工業協同組合の方から「事務所内のキッチンスペースを貸すから、喫茶店を少しやらないか」と誘われたんです。
そこで開いた店舗名に、ニットにちなんで「アム」と入れました。
―大切にしているコンセプトやテーマはなんですか?
波多野さん:
お店のコンセプトは、カフェなのでやっぱりゆっくりしてほしい、落ち着いた時間を過ごしてほしいというのが第一ですね。
カフェに来て、コーヒーを飲んだりお菓子をたべたりするにしても、座る椅子や家具、空気…その人の周りの環境すべてが時間を作ります。
例えば音楽で言うと、強いと居心地が悪いし、弱いと人の声が気になってしまいますよね。
こうした取り巻く環境を整えたうえで、皆さんに過ごしやすい時間を楽しんでもらうのが、僕らのコンセプトです。
─落ち着いた雰囲気のお洒落な内装ですが、インテリアにこだわりはありますか?
波多野さん:
実は、扉やカウンターなどを塗り替えたくらいで、内装のほとんどはここで営業していた「紡ぐ珈琲と。」さんの頃のものなんです。「紡ぐ」という名前の通り、そのまま家具を紡いで使っています。それと、テーブルにミシン足を使っているように、内装も織物要素を連想させるものを散りばめています。
─なるほど、そうした要素を探すのも楽しそうですね。
波多野さん:
あとは、「心地よく過ごしてほしい」という気持ちがあるので、内装は落ち着いたカラーリングにしていますね。
―なぜこの「沼垂テラス商店街」という場所にお店を出すことを決めたのですか?
波多野さん:
「紡ぐ珈琲と。」さんがもともとここにあったというのが一番大きい理由です。
僕自身も沼垂の雰囲気がいいなと思っていたので、ここでお店を開こうと決めました。
―沼垂商店街のどんなところが魅力的だと感じますか?
波多野さん:
沼垂テラスは、全国でどんどん商店街が減ってきている中で、最近盛り上がりが見られるようになりました。
沼垂は新潟駅周辺の繁華街から来れない距離ではないんですが、最近はいろんなお店が入ったこともあって、この商店街ににぎわいが生まれつつあります。
新潟に来た人に、「とりあえず沼垂行けば、なにかありそうだな」と思ってもらえるような場所になれればいいですね。
─沼垂テラス商店街には色々なお店がありますが、お店同士の繋がりは感じますか?
波多野さん:
一応ありますが、仲の良さは人それぞれですね。朝市のような商店街のイベントに参加したり、他のお店にご飯を食べに行ったりといった交流はあります。
―回数を重ねて次第にコミュニティが広がっていったことがわかりました!
お話を聞いていると、カフェの原点やコンセプトをなにより大切にしているんだな…と感じました。
だからこそ、「心置きなく安心して過ごせるようなカフェ」が実現できたんですね!
続く第2回目の投稿では、「編むと紡ぐ」こだわりの珈琲やお菓子を紹介していきます。
お楽しみに!