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1、 新潟の枝豆の強み
2、 枝豆栽培のこれまでとこれから
3、 枝豆の種まきを見学
―まずは、新潟の枝豆の強みって何だと思いますか?
本間さん:出荷量の多さですかね。全国的に見てもかなり多いほうです。作付面積で表すと60反(1反が田んぼ一枚分)もの量で、会社で取引している枝豆の生産組合も含めた量が100トンで、そのうち約2割が会社で生産した枝豆です。
(広大な枝豆畑。生育状態に合わせた管理が大切だ)
―すごい量ですね!それなのにうまみも詰まっている。おいしく作れることに、何か理由はありますか?
本間さん:おいしさの秘密は、枝豆を育てている畑の土にあります。さらさらしたものでは無く、粘土質で水分が多く含まれている土で育てています。この土にはミネラル分が豊富で肥料が抜けにくく、雨水も浸透しやすいんです。そして何より、うまみも蓄えられます。
―なるほど!土に秘密があったのですね!
本間さん:土がカラカラな状態はどの農作物でもそうですが、良い状態とは言えませんからね。あとは、この地域は元々田んぼだった土地を転作し始めたのが周りよりも早かったんです。転作からのノウハウがあることも強みといえるのではないでしょうか。
(うまみがたっぷりと蓄えられた土。これがおいしさの秘訣)
―やはり新潟は農業に古くからいそしんでいるためノウハウが多くあるのですね。特にこだわっている部分を教えてください。
本間さん:生育状態に合わせた管理が特に大切ですね。天候にはもちろん左右されますが、枝豆は熟し過ぎてしまうと大豆になり味が落ちてしまうので7~8割ほどにまで熟してから収穫をしています。熟し過ぎると、うまみがタンパク質に変わってしまうからです。
―常に自然との勝負なのですね。そのような中で栽培研究にも力を入れていらっしゃると聞きました。肴豆(さかなまめ)という品種があるそうですが、これはどのような品種なのでしょうか?
本間さん:肴豆は、秋豆と呼ばれる枝豆のうちの一つで、近年人気が高まってきています。9月中旬から下旬にかけて収穫される品種で、甘みが強いのが特徴です。お店で出しているフレンチトーストやシェイクにも向いています。栽培研究を重ねながら、既存のものばかりにとらわれるのではなく、よりおいしいものを求めて様々な枝豆の開発を研究していきます。
「ずんだクリームあんぱん」(左)と、枝豆ペーストを練り込んだ「BLACK BIRD」(右)。お店のロゴである「く」をモチーフにしている
本間さん:ちょうど今、隣の作業所で種まきをしていますので、ご覧になりますか?
―ええっ!? いいんですか!? ありがとうございます!
ということで、せっかくなので枝豆の種まき作業も見せていただきました!教えてくださったのは、新規就農されてから4年目の近藤健太さんです。
近藤さんが取り出したのは長方形のケース。その中には穴が開いている銀盤とたくさんの茶色い粒がありました。
近藤さん:この茶色い粒が、枝豆の種なんですよ。こうしてケースの中で種を振って、銀盤の穴に一粒ずつはめていって・・・。
(ケースをゆすると種が穴の中に納まっていく)
近藤さん:その下にある、土の入った黒いトレーにくぼみがあるでしょう。このくぼみと銀盤の穴はぴったり合うようになっているんです。だから、銀盤の穴にはまった種を、くぼみに落としていくと・・・。
―おお! 全部ぴったりはまりましたね!
(種がくぼみに落ちると次は大きいローラーが登場)
近藤さん:そしてこのローラーを転がすことによって、種が土にはまる仕組みになっているんですよ。そして上から土をかぶせていけば、種まきは完了です!
―なるほど! 種まきの方法、初めて見ました! ありがとうございました。
今や「新潟といえば!」というくらい認知度と人気が高い枝豆。培ったノウハウと新しいことへの積極的な取り組み、そして何より、生産者の皆さんの枝豆への熱い思いを感じました!
次回、連載の最終回では、本間さんが考える課題や想い、今後の展望について紹介していきます。お楽しみに。
■Farmer’s kitchen BLACK BIRD(ファーマーズキッチン ブラックバード)
〒950-1123 新潟県新潟市西区黒鳥648-1
TEL 025-378-0871
営業時間/8:00~15:00
定休日/火曜・第四もしくは第五の月曜
https://fkblackbird.base.shop/
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