たべる
FOOD
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スパイスのセレクトショップをイメージした店内にはカウンターに色とりどりのスパイスが並んでいて、南インド式ミールスから、ドリンクのチャイ、アルコール、フライドポテト、スイーツまで独自に試行錯誤しながら生み出されたメニューを楽しむことが出来ます。ランチタイムでは南インド式ミールスをはじめとしたプレートメニューをメインに提供しています。夜になるとスパイス居酒屋としてスパイスおでんや、スパイス焼酎などのランチタイムとは角度の違ったスパイス料理やお酒が楽しめます。
(温かい雰囲気のエントランス)
(店内のカウンターには様々なスパイスが並ぶ)
(店内の一角ではテイクアウトメニューも販売)
―なぜスパイスをテーマに飲食店を始めたのですか?
村上さん: 元々カレーは好きでしたが、今のインドカレーやスパイスカレーとの出会いは遅い方かもしれないですね。私自身、ミールスやスパイスカレーを食べに行った時にすごく新鮮さと衝撃を受けたことでカレーにはまりました。それと、スパイス自体は今までの飲食の仕事でも使っていましたが、あくまでも引き立て役なことが多かったので、カレー以外の料理でもスパイスを主役にできないかなと思ったのがきっかけです。
(インタビューに応じてくれた、店長の村上大輔さん)
―なぜ古町でお店をオープンしたのですか?
村上さん: なんでもっと人通りの多い場所じゃないんだって、よく聞かれます(笑)
ただ、古町は好きなものがあるから目指して来る場所のようなイメージがあったので、マニアックなカレーや斬新な料理をやるには丁度いい場所なんじゃないかなと思って古町を選びました。
―スパイスカレーとは何でしょうか?普通のカレーとは どう違うのですか?
村上さん:日本で一般的なカレーはイギリス発祥といわれている欧風カレーです。欧風カレーの元はシチューなんですよ。だから日本でカレーを作るときは、ルーとスパイスを加えて作っているんです。
一方、スパイスカレーはそのルーを使ってないものです。スパイスカレーという言葉は日本の造語で、ルーを使ったカレーじゃないっていう意味合いを込めてスパイスカレーと呼ばれています。うちのお店のカレーは、いわゆるスパイスカレーとは少し違ってベースになるのは南インドのカレーで、インドの他の地方のカレーや、山椒などの独自要素が加わってできているものもありますね。
―カレー作りでこだわっていることは何ですか?
村上さん:日本人に合わせて、あまり食べやすくしないことです。メインで取り扱っているのは南インドのカレーですが、現地でしか味わえない味を体験してもらいたくて、あえて日本人の口に合うようなアレンジはあまりしていません。今は南インドのカレーをメインでやっていますが、お客さんをびっくりさせたいので別の国のカレーを突然始めるかもしれません(笑)。
―村上さんのオススメメニューは何ですか?
村上さん:南インドのミールスがおすすめです。ミールスの食べ方は、プレートの中身をはじめから全部混ぜて食べるんですよ。日本人の教育的に三角食べが基本という習慣がついているので、全部混ぜる食べ方には少し抵抗があるかもしれません。しかし、混ぜて食べることで想像のできない味に少しずつ変わっていく面白さが体験できるので是非食べていただきたいです。ミールスのメインのカレーは日替わりなので、来る時々で違った味を楽しめます。
カレーのおすすめとして個人的に推すのは、ダールタルカ(豆のカレー)かサンバル(野菜のカレー)です。この二種類のカレーは日本人の概念からいうとカレーじゃなくて豆をスパイスで煮たもの、野菜をスパイスで煮たものです。そもそもインドではカレーという概念がなくて、基本煮物とか汁物の感覚で食べられているんですよね。
―人気のメニューはなんですか?
村上さん:いちばんよく出るのはミールスで、他だとジャークチキン、夜だとスパイス焼酎です。お客さんにびっくりされる順だとミールスがびっくりされるし、ジェラート、チャイもびっくりされますね。
(ミールス)
(ジャークチキンプレート)
―お客さんの年齢層を教えてください。
村上さん:30代、40代を中心に50代、60代の方も新しいものを求めてきています。80代の方もいらっしゃいますよ。高齢の方でも、面白がってくれて毎週一回来てくれるお客さんもいます。
―1番苦労したメニューはなんですか?
村上さん:スパイス焼酎は結構苦労しました。カレーだと食材を炒めてスパイスをどれくらいいれるか、お水を入れて煮込めばその日のうちに味見はできます。しかしスパイス焼酎は、長いもので1ヶ月くらい漬け込むのでその表情がどんどん変わっていきます。そのスピードがものすごく遅いので出来上がるまでのスパンが長く、1ヶ月待って飲んでみて失敗したなと思った事もありました。
―今後の目標はありますか?
村上さん:「スパイス=辛い」じゃないを広めたい。 スパイスは辛いものというイメージだと思うのですが、香りを楽しむスパイスというものもあるので単純に辛いものではないということを広く知ってもらいたいです。
―ほかの店と差をつけるためにここだけは譲れないところ はありますか?
村上さん:基本カレーのスパイスはパウダーにしたものを使っていることが多いですが、うちはホールのスパイス(収穫時の原型を留めたスパイス)をガンガン使っています。パウダーのスパイスとホールのスパイスを両方使っているから、かんだときに一気にスパイスの香りが広がるように工夫しています。
「スパイス=辛い」じゃないを広めたいという、村上さんのスパイスとカレーにかける情熱が伝わってきました。次回は取材メンバーがカレーメニューを実食!その食レポをお伝えします。
■Side by Side Spice Stand
住所:〒951-8063新潟県新潟市中央区古町通5番町 591
TEL:025-374-6210