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2023.12.19

佐渡・相川② 相川のまちづくり 原田光さん/伊藤幹太さん

キャンバス
みなさん、こんにちは!チームキャンバスです。
第二弾では、相川車座のイベント担当をされている原田光さん、佐渡市地域おこし協力隊相川地区担当の伊藤幹太さんにお話を伺います。

-まずは先日行われた『ランタンフェスティバル』(2023年9月23日実施)について、原田さんにお聞きします。こちらはどういった目的で開催されているのでしょうか?

 

原田さん:相川という地元に、観光客や地元の子どもたちなどのたくさんの人が楽しめるイベントを開催して、お客さんの思い出に残してもらうことで、将来相川のまちづくりに協力してもらえたらいいな、と思っています。それで人口減少の歯止めになればいいなとも思うし、自分は夜に店もやっているので、そこにお酒が飲める年齢になったお客さんにぜひ来てもらいたいな、とも思っていますね。長期的な目で子供たちと関わって、相川でいろんなかかわりを持ちたいと思っています。『ランタンフェスティバル』もたくさんのボランティアの人たちに協力してもらって、みんなの力で成り立っている、という感じです。そう言った大きいイベントを開催するのは地元の活力になるので、今後も続けていきたいと思っています。

 

<2023年ランタンフェスの様子 (提供:伊藤さん)>

 

-イベントのターゲットは主に相川に住む子供たちなのでしょうか?

 

原田さん:いえ、世代問わず、様々な方をターゲットとしています。『ランタンフェスティバル』は昨年度(2022年)大体2千人ぐらい集まりましたが、観光客の方もチケットを変える仕組みを用意していました。実際集まったのは9割地元の人でしたけどね(笑)。

 

ただ、イベント内で、お母さんが弾くピアノに合わせて子供がダンスを踊っている場面がありまして。その子供のおじいちゃんおばあちゃんもランタンフェスのお客さんとして来てくれていて、一つのイベントに三世代が集うというのは面白いなと思いました。

 

 

-前回(2022年10月15日開催)と今回、どのようなところがパワーアップしたのでしょうか?

 

原田さん:一番は集客の仕方ですかね。前回はどうすれば人が集まるかがわからなかったのです。今回、開催するうえで気づいたのは、子供にアプローチをかけるのが一番いいということですね。なぜかというと、子供が喜ぶイベントを企画すれば、当然その子供の親も引率のために足を運ぶし、あわよくばその子供のおじいちゃん、おばあちゃんも来る。さらには子供の友達もくればどんどん集客できる、ということに気づきました。そこに気づいてから、人を集めたいときは子供向けに楽しいことをやろう、と決めてイベントを企画しました。さっきも言ったように、そうやって子供向けのイベントを企画すれば、そこに参加して子供たちが大人になった時に次はイベントを手伝う側に回ろうかな、と思ってくれたらいいなと考えています。

 

 

-3回目を企画するとしたら、どんなことに力を入れたいですか?

 

原田さん:今回の『ランタンフェスティバル』で感じたのは、チケット代が少し高い、ということです。一回あたり4千円かかってしまうんですよ。だから用意したチケットも少し余ってしまいました。最初のイベントの時は物珍しさがあって完売しましたが、今回はそうはいきませんでした。だから次企画するときは小学生、中学生、高校生で学生割引を作って、学校を巻き込んでやれたらいいなと考えています。高校生とかは自分たちで企画してキッチンカーとかおいてくれたらいいですし、中学生はその手伝いをしてくれたらいいなとも思いますね。お客さんとしてランタンフェスに来てほしいというのはもちろん、自分たちで何かを企画してイベントを盛り上げてほしいと思っています。

 

 

-続いて、伊藤さんにお話を伺います。伊藤さんは佐渡のご出身ではない、ということですがどういった経緯で、佐渡市地域おこし協力隊に加わろうとお考えになったのでしょうか?

 

伊藤さん:僕は静岡県出身で、佐渡には2021年に旅行で来たのが初めてでした。佐渡島のもともとのイメージが恐らく、金山のイメージからなんとなく「高齢者が行く島」というとんでもない偏見を抱いていたのですが、実際、来てみた時にいろんな観光地を巡ってみまして。そしたら、海がきれいだったり、お洒落なカフェがあったりと、若者が楽しめる要素もたくさんあり、僕が抱いていた偏見と全く違うことがわかりました。そう気付いてから、「ここで仕事をして、当時の僕のような偏見を持っている人たちに佐渡の魅力を伝えたい!と考えるようになりました。そして、コロナ禍が明けてから、地域おこし協力隊に加わる前に、相川地区で2週間ほどインターンをやらせてもらいました。そこで初めて原田さんともお会いしたのですが、原田さんを始めとする、相川の人たちの熱量の高さに驚きました。特に原田さんは、わくわくとか好奇心を原動力にされていて、その人柄にも感化されて「この人たちと一緒に仕事をしてみたい!」という想いが強くなりました。そういった経緯で、僕は相川で仕事を始めてみることにしました。

 

 

-具体的にはどのようなお仕事をされているのでしょうか?

 

伊藤さん:最近はずっと、北沢カウンターで、観光客の人たちに相川の飲食店の案内や、月に一回出る『まちづくり相川』という広報誌の執筆も担当しています。SNSでも主にインスタグラムを通じて相川のお店を紹介したり、TikTokでは佐渡の景色などをアップしたりしています。(※北沢カウンターは現在は冬季休業中)

 

 

-SNSは主に佐渡島在住の方以外に向けて発信しているのでしょうか?

 

伊藤さん:そうですね。島外の人に向けて発信しています。発信するときに気を付けているのは、僕が初めて佐渡に来た時の心境を元に、「佐渡に一度も来たことがない人たちのことをイメージしながら動画を作るということです。僕はとてもビックリしたんですけど、今年の夏に、この場所で観光案内をしていた時に、ここが金山だと思って浮遊選鉱場を訪れた人たちがいました。大袈裟な例えですが、それぐらい佐渡について知らない方は本当に知らないので、そういった人たちにも分かりやすいような言葉や表現を使うことを心がけています。

 

原田さん(左)と伊藤さん(右)

 

 

-地域おこし協力隊は佐渡出身の方が多いのでしょうか?

 

伊藤さん:佐渡出身者よりも、島外出身者の方が多いです。あとは年齢層も幅広いですね。僕みたいにガッツリ地域の中に入って仕事をする人もいれば、市役所などで仕事をする方もいたりで、それぞれやっていることも異なります。

 

-お二人の相川の好きなところを教えてください。

 

原田さん:人のクセがかなり強いところですかね(笑)。僕は一度東京で独立することも考えたんですけど、ずっと東京で働くというのはイメージが湧きませんでした。相川の人たちはみんな面白いし中には事業をやっている人もいるから、死ぬまで楽しく仕事できそうだなと考えました。冬だと観光客は減ってしまいますが、地元民からすれば佐渡はご飯もおいしいし、みんなで宅飲みもできるし、春夏秋冬全部楽しい島ですね。あと、海、山、川全部距離が近いところも好きです。

 

伊藤さん:僕はもともと歴史が好きなんです。相川には“佐渡金山”や“北沢浮遊選鉱場”のように、日本の歴史上で極めて価値が高い史跡が残されているのが、相川の好きなところの一つですね。

 

あとは、僕がインターンに来た時、泊まっていたホテルがカードキーのタイプだったんですが、カードキーを部屋に置き忘れたまま部屋を出てしまったんです。しかも、そのとき携帯も持っていなくて、外の気温が氷点下5度とかなのに、とんでもなく薄着だったんです(笑)。どうしようもなくて、少し前まで飲んでいたスナックに戻ったらそのスナックにいた人たちがすごく助けてくれたんです。それで、無事に部屋に入ることができて。(笑)そういった義理人情に溢れている人たちが多いところも好きですね。

 

 

-どうして相川にはそういった人柄の良い方が多いのでしょうか?

 

原田さん:やっぱりイベントを通して、積極性が出るんじゃないですかね。挨拶も大きい声でできないくらい内気だった子が、友達に誘われたとかで祭りに参加してキャラが変わってきたりします。僕自身も元々学校で目立つタイプではなかったけど、イベントに参加してクセの強い人たちに囲まれていく中で自分自身も変化していきました。僕みたいにもともと内気だった子供が、イベントを通して今度は主催者側に回りたいと考えるほど活動的になってくれたらうれしいです。

 

 

原田さん、伊藤さんの「たすいち」

伊藤さん(左) 「帰る場所」
原田さん(右) 「佐渡で一番若者が集うBAR『スシカ』飲みに来たら安くします」


-最後に、お二人の『たすいち』を教えてください!

原田さん:僕は宣伝です(笑)。若者が集まる活気ある店にしたいので、佐渡を訪れた若者にはぜひ立ち寄ってもらいたいです。

伊藤さん:僕は、相川を帰りたくなる場所にしたいと思っています。観光客が相川で色々な人たちと接して、「またこの人たちに会いたいな」と思って帰ってきてくれる。相川が観光客にとってそんな場所になっていたら最高です。僕自身も県外に行ったときは早く佐渡に帰りたいなと思っています(笑)。

取材とは別に佐渡の絶景スポットにも立ち寄りました。時間がギリギリのスケジュールだったためゆっくりはできませんでしたがとても魅力的でした。佐渡に日帰りはもったいないです。佐渡に行くなら絶対に泊まるべきです!!!!!

 

ギリギリのスケジュールの中、車内から撮影した夫婦岩

 

極寒の中立ち寄ったあめやの桟橋

 

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