まじわる

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ロッテアライリゾート外観の写真

2024.04.19

ロッテアライリゾート① JAPOWの魅力を活かして

osushi
皆さん、こんにちは!
今回の「まじわる」は、チーム「osushi」が担当します!!

ところで皆さん、「ジャパンパウダースノー」(通称JAPOW:ジャパウ)を知っていますか?
日本は世界的に見ても積雪量が多い国ですが、妙高市ではさらさらとした雪が多く降ります。そして、このさらさらとした雪をJAPOWと呼び、これを求めて国内外から多くの方が妙高市のとある施設を訪れます!

スキー場だけではなくホテルやレストラン、プールや温泉まで完備した施設なのです!
この施設にはどんな魅力があって、どんな体験をすることができるのでしょうか!

私たちチームosushiは、その魅力あふれる施設の真相を探るべく、妙高市にある「ロッテアライリゾート」を取材してきました。

  • 1.ロッテアライリゾートの特徴と歴史
  • 2.積雪量は妙高が一番!
  • 3.スキー場と外国人ユーザー
  • 4.ロッテアライリゾートのサービス

(今回取材をしたロッテアライリゾート前総支配人 中谷高士さん)

 

 

1.ロッテアライリゾートの特徴と歴史

 

-ここ、ロッテアライリゾートは創立何年ですか?

1993年にオープンし、建物やリゾートとしては30年くらい経っています。しかし、2006年に経営破綻で一度閉めてしまっています。その後、2017年の12月に再オープンという形になり、10年以上閉じてしまっているリゾートを再オープンさせました。
ロッテアライリゾートという再オープンした後では、今年で7年目になります。昔から知る方には「新井リゾート」という名前で認識している方が多いかもしれません。

 

-復活した経緯はどんな感じでしょうか?

ここはすごくドロドロしてしまうのですが…(笑)

新井リゾートを1993年に創立したときは、ソニー創業者の方々が一から作ったのです。それが2006年にいったん終わってしまって…。ですがその後、もう一度なんとか復活したいという話が、妙高市周辺でもあがっていました。そんなときに、韓国の「株式会社ホテルロッテ」が手を挙げて、10年もの間、時が止まっていたこのリゾート施設をフルリニューアルというような形で再オープンしました。

このとき私はまだ担当していなかったのですが、すごく大変だったと思います(笑)。自分の実家が10年以上空き家になっているところをピカピカにしよう、なんて考えたらすごく大変ですもの…(笑)。

それでもここを復活させて、もう一度お客様を呼びたいといった熱意があったようです。

 

(2024年2月取材:まだたくさんの雪が積もっている)

 

-なぜ大変な思いをしてまでリニューアルをしようと思ったのですか?

私は、2019年にこのロッテアライリゾートに着任してから5年ほど経つのですが、日本のなかでもこのロッテアライリゾートは特殊なものだと感じます。
スキー場は日本に400、500箇所あるといわれているのですが、ロッテアライリゾートの山は、他のスキー場と比べても比べきれない特徴や魅力、怖さがあります。パンフレットのマップをみていただけるとわかると思うのですが、紫のところがたくさんあると思います。

 

(ロッテアライリゾートのスキー場図)

 

これは自然のままなのです。なにも手を付けていません。白、青、緑のところは、圧雪車という機械を使って滑りやすくしているところなのですが、紫のところは「山の中を勝手に滑っていいですよ」と言っているようなものなのです。

 

(フリーライディングゾーンのイメージ動画)

 

みなさんが知っているスキー場は、障害物がなく、きれいに圧雪されているところが多いと思います。しかし、私たちの山は80%が自然のままで、その中を滑っていく、というスキー場なのです。海外では多いのですが、日本にはなかなかこのようなスキー場はないのです。

 

-自然のままを滑っていくために気をつけていることはありますか?

自由に滑っていい山なので、場合によっては雪崩が起きてしまいます。圧雪車で固めていれば雪崩は起きにくいのですが、自然のままだと雪崩が起きる可能性が増加します。
そのため私たちのスキー場では、雪崩を予報する「アバランチフォーキャスター」という専門家がいます。この方々は毎日、天気と雪と山中の雪質、どういう風に積もると雪崩が起きやすいかなど、雪崩の危険があるところへの立ち入りを管理する仕事をしています。
また、雪崩が起きる可能性が高い場所では、事前に雪崩を人工的に起こしています。そうすることでお客様の安全を確保しています。このような理由で、海外からのお客様も多いです。

 

-自然のままを滑りたいお客様はたくさんいらっしゃるんですね!

雪がたくさん降った後は、スキー場がきれいで真っ白であるため、誰も滑っていない状態を滑りたいといったお客様が、朝の6時から入口で待っていることもあります。スキー場の施設は7時からオープンするので、7時になった途端に100人くらいのお客様が入っていくこともあります。

逆に、雪が積もってから4~5日たって、滑りつくされているときは、朝の一番乗りで滑りたいという方は数人しかいません(笑)。それくらい差があります。

皆さんにとってスキー場は、ゴンドラで上がって、それからすぐ滑るものだと思うのです。しかし、このリゾートではゴンドラで上がってから、さらに上を目指して自分たちで山を登ってから滑るのです。まだ誰も滑っていないところを滑りたいがゆえに、一生懸命に器具を担いで歩いて、自分が滑りたいと思ったところから滑るのですよね。なので、雪が降った翌日は200人くらいの方が山を登っています。

 

山を登る様子の写真

 

 

2.積雪量は妙高が一番!

 

一つ、ぜひ知ってほしいことがあります。それは、積雪量を新潟県と長野県で比べると、新潟県のほうが圧倒的に多いことです。なぜかというと、日本海に近いからです。日本海に湿った寒い寒気が大陸のほうからくると、暖かい日本海の水が少し吸収されて日本に来るのです。そうすると2000mもある妙高山にぶつかって多くの雪を降らせます。妙高山を超えた長野県ではサラサラな雪が降りますが、積雪量としては妙高のほうが多いのです。

 

-世界から見る日本の雪はどう捉えられているのですか?

妙高市周辺は、毎年平均で雪が18m~20m降っていて、世界的に見てもかなり珍しいです。水分を含んだ湿った空気と寒い寒気がぶつからないと雪は降りません。ほかの地域でも雪が降るところはありますが、地理的要因などにより日本のように多くの雪が降るところは珍しいです。
なので、海外の方々は「ジャパンパウダースノー(JAPOW:ジャパウ)と呼んでいて、興味を持っている方が多くいるのです。

 

パウダースノーが積もる様子の写真

 

-妙高の本気の雪はどんな感じなのでしょうか?

最初にJAPOWが話題になったのが北海道のニセコですが、妙高市のほうがワンシーズンあたりの降雪量は多いです。広場にある外灯を見ていただきたいのですが2022年2月の冬の降雪では、あの外灯はほとんど埋まってしまっていました。

 

雪に埋まる外灯の写真

 

このときばかりは施設自体も埋まりそうで、この日は営業ができませんでした。じつは、リフトが下の雪についてしまったんです。この雪はその日、スタッフが一生懸命に掘っていました。掘らないと次の日営業ができないので・・・。
多く降るときは1時間に10cmぐらい積もります。例えば朝の6時までに機械でゲレンデをきれいに整備したはずなのに、オープンの9時になると、もう積もっています。お客さんから「ロッテアライリゾートは圧雪をきれいにやっていないじゃないか」と言われますが、違うのです、3時間経ったので、30cm積もってしまったのです(笑)。

 

 

3.スキー場と外国人ユーザー

 

-このスキー場をお勧めしたい人はどんな人ですか?

スピードスキーをする人は、ふかふかな雪には興味がないと思います。スピードスキーはやはり固い雪のほうが向いていますからね。また、家族連れの方にこの山を勧めることも少し難しいと思います。タイプによりますが、パウダースノーを滑りたかったり、自由に山の中を滑りたかったりする人にこの山は向いていると思います。

私たちの山では、スキー場内でバックカントリーと同じ体験ができますし、もし自分が迷子になっても必ずパトロールが助けに行きます。パンフレットの紫のエリアであれば安全に自由に山の中の大自然を楽しんでいただけます。

毎年FWTというフリースタートとゴールだけあり自由に滑って技を競うというフリーライドの大会も開催されます。飛んだり回転したり木の間を突っ込んでいくような大会にはまさにぴったりのスキー場ですね。

 

飛んでいる様子の写真

 

-スキー場以外の設備は何が魅力ですか?

ただスキー場だけあればお客さんがたくさん来るのかというと、決してそうではないと思います。海外まで行って、そのスキー場に宿泊施設や食事場所がないと、行きたくないなと思ってしまうかと思います。
ロッテアライリゾートは、海外の方を含む多くの方のスタイルに合った施設を提供しています。例えば、エステやプール、温泉があるなど多くの設備が一体になっています。お客さんは、施設のみではなくサービスや安心感を含めてここを選んでいると思います。

 

-どのような国からお越しいただいていますか?

  • 1)オーストラリア

海外からは、オーストラリアの方が一番多く、お客さん全体の半分くらいを占めています。日本の冬はオーストラリアの夏なので、彼らにとっては夏休みだからです。海外の方は夏休みを1~2か月ほど取るので、仮に2か月休みがあるとするとそのうちの1か月を日本で過ごし、4週間のうちの1週間をスノーリゾートで過ごすという感じになります。

 

  • 2)アメリカ

その次にアメリカが多いです。ロッテアライリゾートでは、「アイコンパス」に参加しています。アメリカ中心で販売しているスキー場のシーズン券です。アメリカの30~40個くらいのスキー場や日本のいくつかのスキー場で使え、パスを見せればリフト券がもらえて自由に滑れるのです。
ワンシーズン20万円~30万円もしますが、この会員はたくさんいます。日本で「アイコンパス」に参加を許されているのが北海道のニセコとロッテアライリゾートだけなのですよ。なので、スキー好きの人たちなどが日本で滑りたいと思ったときに、ニセコとロッテアライリゾートが選択肢に入ってきます。
アメリカの方はここ2~3年で増えてきていますね。アメリカ人でアイコンパスを持っている方々はスキーのエキスパートが多いです。

 

  • 3)シンガポール、香港

そして3番目に多いのがシンガポール、そのあとに香港が続いています。その理由は英語圏であるからですね。私たちはマルチ言語に対応するのではなく、英語圏に徹底的にアピールしています。
結果的に英語リテラシーが高いアジア圏の方々、つまりシンガポールや香港の方々などが英語のサイトを見ながら我々のところにお越しいただいています。

 

 

4.ロッテアライリゾートのサービス

 

宿泊していただいたときは、サービスとしてリフト券を1割引で安く買うことができます。リフト券だけではなくてアクティビティやスノーラフティングも割引しています。
リフト券はエコノミークラスとファーストクラスに分かれています。ファーストクラスはエコノミークラスより高いのですが、大きく2つのメリットがあります。

1つは、通常朝8時半からリフトに乗れるところを朝8時からゴンドラに乗れることです。たかが30分ですが、一番乗りしたい人はその30分が命取りなのですよね。もう1つのメリットは、山の上のほうのリフトにファーストクラスの優先ゲートがあって、リフトに優先的に乗ることができます。

 

(リフト乗り場:降雪の翌朝にはここに長蛇の列が!)

 

-海外の人はファーストクラスをどう見ているのでしょうか?

すこし面白いのですけど、海外の方はファーストクラスをなにも気にしないで買っていきます。日本人の若い子たちが(ファーストクラスチケットのことを)「貴族チケットだよな」って言っているのを聞きますが、海外の人にとっては、2000円は今の為替でいうと10ドルちょっとなのですよ。10ドルちょっとで30分早く、そして優先的にリフトに乗れるのなら全然高くないと思っているのです。海外まで来て2000円でメリットをたくさん得られるならと思っているので全然気にしないのですよ。

 

 

いかがでしたか?JAPOWの魅力やロッテアライリゾートさんの魅力を知ることが出来ましたね!!

次回は、地域と観光とのかかわり方に焦点を当ててお話をしていきます!!

■ロッテアライリゾート

住所:〒944-0062 新潟県妙高市両善寺1966

電話番号:0255-75-1100

公式ウェブサイト:https://www.lottehotel.com/arai-resort/ja.html

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