たべる
FOOD
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―お店を始めたきっかけについて教えてください。
本間さん:元々この場所にあった玩具屋が閉店して、シャッターが閉まったままだったんです。そこで2010(平成22)年7月に商工会議所の青年部が県の補助金を利用して、町の活性化を目的に駄菓子屋を開きました。当時は商工会議所が経営していたんですが、その後運営を民間に移すことになりました。
―本間さんがここにお店を構えたのではなく、元は別のお店があったんですね。
本間さん:そうなんです。私は元銀行員でして。定年退職後にここの駄菓子屋が店長を募集していて、応募してみたら採用されたんです。その後、2017(平成29)年に私が経営を引き継ぎ、株式会社を設立して法人化したんですよ。
―法人の駄菓子屋さんって、あまり聞いたことがないです。
本間さん:実際、県内で株式会社になっている法人の駄菓子屋はここ、C57くらいで、他はみんな個人経営ですね。お菓子の種類もグッと増やして、県内トップの366品、個数で言えば1万2000個くらいです。過去には新潟日報の取材を始め、多くのマスコミ各社の取材を受けたこともありますよ。
(過去の取材について話す本間さん)
―色々なものが置いてありますが、内装にもこだわりがあるのでしょうか?
本間さん:昭和をイメージしたお店作りが元からのテーマで、当時実際に使用されていたものがそのまま置いてあります。扇風機やオルガン、踏み込みミシンなど、すべてここのお店を応援してくれている地域の皆さんからお譲りいただいたものです。店の一角にあるメダルゲーム機も、製造がすでに終了しているので、壊れたら終わりなんです。
(メダルゲーム機では実際に遊ぶこともできる)
―確かに黒電話やストーブなど、おばあちゃんの家にあったものが沢山で懐かしいです。
本間さん:そうですよね。ワクワクしながら駄菓子を選んだ後、ゆっくり食事をしてほしかったので、店の奥にある飲食スペースを昭和の茶の間を意識した内装にしています。
また、お菓子の置いてある陳列棚は子どもの目線に合わせた高さにしています。小さな子供が自分で考えながら楽しくお買い物体験ができるように、駄菓子一つ一つに手作業で値札も貼っています。このお店らしい、温かい心配りを感じて頂けたらと思います。
(お客さんからもらった昭和を象徴する物が店内には沢山ありました!)
―小さな子供が来ると言っていましたが、客層はどんな感じですか?
本間さん:老若男女問わずですが、やはり小さい子連れの親子が多いですね。お客さん自体は年間約5万6000人来ます。土日は400〜500人も入ってきます。だからレジは2台開けますよ。なかなか駄菓子屋でレジ2台は珍しいですよね。
―仕事をしている中で嬉しい瞬間はありますか?
本間さん:「また来るね〜」とか、「ありがとう!」とか子供たちが言ってくれるのはありがたいなと思います。小さかった子が成長して大きくなって、ご自身の子供を連れてきてくれたこともありました。学生の頃に電車の待ち時間にチキンラーメンとか食べにきてくれる子もいて、そういう子が社会人になってからまた来てくれるとうれしいです。また来ようと思ってくれる場所になっていればうれしいですよね。
―お仕事の中で、大切にしていることはありますか?
本間さん:やっぱり、お客様を大事にすることですね。お客様あっての駄菓子屋ですから。地域に認められないと商売はできないと感じていますから、やっぱり大事にしないとと思います。
―昭和基地C57には駄菓子が366種類1万2000個あるとのことでしたが、中でもオススメの駄菓子はありますか?
本間さん:みんなオススメですね。駄菓子はシリーズものや昔懐かしいもの、新しく出たものまで幅広くそろえています。
―その中でも、店主さんが好きな駄菓子はありますか?
本間さん:「あたり前田のクラッカー」とかですかね。あとは麩(ふ)菓子とかも好きです。
(店内に並ぶ数々の駄菓子)
お話をうかがう中で、お客さんのことを考えながら、常に新しいことに挑戦し続けるその姿勢こそが、お店のはんじょうにつながっているのだとひしひしと感じました。
次回は、C57さんで扱っているフードメニューと、今後の展望について等をお伝えしたいと思います。
■駄菓子や 昭和基地一丁目C57
住所:〒956-0864 新潟県新潟市秋葉区新津本町1丁目5−8
TEL:0250-25-3457
WEB:https://peraichi.com/landing_pages/view/dagashiyac57